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自民党、暗号資産ETFと円建てステーブルコインを提言:2026年日本のWeb3戦略
暗号資産政策·6分で読める

自民党、暗号資産ETFと円建てステーブルコインを提言:2026年日本のWeb3戦略

SSatoshi.K(dex.jp編集部)公開日: 2026-06-02

📋 この記事のポイント

  • 1https://www.coindesk.com/policy/2026/06/01/japan-s-ruling-party-supports-crypto-etf-trading-yen-based-stablecoins
  • 2https://www.reuters.com/business/finance/japan-ruling-party-panel-proposes-crypto-etfs-yen-stablecoins-2026-06-01/
  • 3https://www.fsa.go.jp/news/r5/sonota/20240415/20240415.html
  • 4https://www.jimin.jp/news/policy/2026_web3_proposal.html
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日本の自民党(LDP)は2026年6月、暗号資産(仮想通貨)ETFの取引を可能にする法的枠組みの構築と、円建てステーブルコインの利用促進を求める提言を財務大臣に提出しました。これにより、日本は米国や香港と同様に、投資家が直接資産を保有せずに暗号資産市場へアクセスできる環境を整備し、Web3先進国としての地位を確固たるものにすることを目指しています。

自民党による暗号資産ETFとステーブルコインの政策提言

2026年6月1日、自民党のブロックチェーン推進パネルは、片山さつき財務大臣に対し、日本の金融市場をデジタル資産のハブとするための重要な提言を行いました。この提言の柱は「暗号資産ETF(上場投資信託)の法的枠組み整備」と「円建てステーブルコインの普及促進」の2点です。

提言の中で自民党は、「暗号資産ETFは投資家にとって理解しやすく、利便性の高い投資手段を提供する」と強調しています。これまで日本の個人投資家にとって、暗号資産の直接保有はウォレットの管理やセキュリティ、さらに複雑な税制が大きな壁となっていました。ETFが実現すれば、証券口座を通じて従来の株式と同様に取引が可能になり、機関投資家や保守的な個人投資家の資金流入が期待されます。

暗号資産ETFが日本市場にもたらす投資環境の変化

暗号資産ETFの解禁は、日本の投資環境を劇的に変える可能性を秘めています。主な利点は、投資家がビットコインやイーサリアムなどの原資産を直接購入・保管する必要がなくなることです。これにより、カストディ(資産保管)に伴うハッキングリスクや秘密鍵の紛失リスクから解放されます。

また、ETFとして上場されることで、従来の金融規制の枠組みの中で透明性の高い取引が行われるようになります。2026年4月に日本政府が暗号資産を「支払手段」から「金融商品」へと格上げする法改正の草案を閣議決定したことも、この動きを後押ししています。この分類変更により、暗号資産ETFは投資信託法や金融商品取引法の適用を受け、既存の投資信託と同様の保護措置が講じられることになります。

円建てステーブルコインの推進と「ドル支配」への対抗策

提言のもう一つの焦点である「円建てステーブルコイン」の推進は、経済安全保障の観点からも極めて重要視されています。現在、世界のステーブルコイン市場(約3150億ドル規模)の大部分は、米ドルにペグされたトークン(USDTやUSDCなど)によって占められています。

自民党のパネルは、ドル建てステーブルコインの支配が強まることで、日本の銀行システムや決済網がバイパスされるリスクを懸念しています。円建てステーブルコインが普及すれば、国内のWeb3エコシステム内での決済が円ベースで完結し、法定通貨としての円のプレゼンスをデジタル領域でも維持することが可能になります。具体的には、三菱UFJ信託銀行が進める「Progmat(プログマ)」や、JPYC株式会社の「JPYC」といったプロジェクトが、今後の国内インフラの基盤として期待されています。

2026年4月の法改正:暗号資産が「金融商品」へ格上げ

今回の提言の背景には、2026年4月に行われた法的な進展があります。日本政府は、暗号資産を正式に「金融商品」として分類するための法改正案を承認しました。これは、これまでの改正資金決済法に基づく規制から、より包括的な金融規制への移行を意味します。

この変更により、暗号資産を組み込んだETFの組成が可能になる法的な土壌が整いました。また、金融商品として扱われることで、将来的な分離課税の導入や、損失の繰越控除といった税制面での議論も加速すると見られています。自民党のWeb3プロジェクトチーム(PT)は、日本の税制が国際的な競争力を欠いていることを長年指摘しており、今回のETF提言は税制改正への布石とも捉えられています。

米国・香港市場との比較と日本の国際競争力

日本が暗号資産ETFの導入を急ぐ背景には、米国や香港といった主要市場の先行事例があります。米国では2024年にビットコイン現物ETFが承認され、莫大な機関投資家資金が市場に流入しました。香港もこれに続き、アジアにおけるデジタル資産のハブとしての地位を確立しようとしています。

日本はこれまで、2018年のコインチェック事件などの教訓から、世界で最も厳しいとされる規制を課してきました。しかし、その厳格な規制が逆にWeb3企業の海外流出を招いた側面もあります。2026年の現時点では、規制の質を維持しつつ、ETFのようなアクセスしやすい金融商品を提供することで、海外に流出した資本と才能を日本に呼び戻す戦略に転換しています。

日本国内のDEX・DeFiエコシステムへの影響

自民党の提言は、中央集権的な取引所だけでなく、分散型取引所(DEX)や分散型金融(DeFi)の利用者にとっても大きな意味を持ちます。特に円建てステーブルコインの利用促進は、日本のDeFi利用における最大の障壁の一つである「為替リスク」を軽減します。

現在、多くのDEXでは米ドル建てのペアが主流ですが、円建てステーブルコインの流動性が向上すれば、日本のユーザーは自身の生活圏の通貨でレンディング(貸付)やイールドファーミングを行うことができるようになります。これにより、日本国内のプロジェクトが主導するDEXの利用者が増加し、実体経済とWeb3が融合した新しい金融サービスの誕生が期待されます。

今後の課題:税制改正と投資家保護のバランス

ETFの導入に向けては、まだ解決すべき課題も残されています。最大の焦点は、ETFの利益に対する課税区分です。現状、暗号資産の直接取引による利益は「雑所得」として最大55%の税率が課されますが、ETFが株式と同様に「申告分離課税(20.315%)」の対象となるかどうかが、普及の鍵を握ります。

また、ステーブルコインについても、発行体の倒産隔離や裏付け資産の透明性など、利用者保護のための厳格な運用が求められます。2023年に施行された改正資金決済法により、ステーブルコインの発行は銀行や信託銀行、資金移動業者に限定されましたが、今回の提言を受けて、より柔軟かつ安全な流通を実現するための追加のガイドラインが策定される見通しです。

まとめ:日本が目指す次世代のデジタル金融都市

自民党による今回の提言は、日本が暗号資産を単なる投機対象ではなく、国家の金融インフラの一部として本格的に組み込もうとしている姿勢を示しています。暗号資産ETFの法的枠組みが整備され、円建てステーブルコインが日常的に利用されるようになれば、日本のWeb3市場は新たな成長局面を迎えるでしょう。

2026年は、日本の金融市場が「Web3適応型」へと進化する重要な転換点となります。投資家は、政府や規制当局の次なる一手に注目しつつ、円建てステーブルコインを活用した新しい金融体験に備える必要があります。

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