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Blockchain.com、最大60億ドル評価で年内IPO計画
暗号資産IPO·8分で読める

Blockchain.com、最大60億ドル評価で年内IPO計画

SSatoshi.K(dex.jp編集部)公開日: 2026-09-30

📋 この記事のポイント

  • 1暗号資産サービス大手Blockchain.comが、最大60億ドルの評価額で米国IPOを検討。
  • 2非公開申請の意味や調達資金、DEX・DeFi市場への影響、投資家が確認すべき点を解説します。
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Blockchain.comは、2026年末までの米国IPOを目指し、約5億ドルの資金調達と40億〜60億ドルの企業評価を協議していると報じられました。 ただし、現時点で公開目論見書は確認できず、上場時期、評価額、調達額はいずれも確定事項ではありません。 本件は一企業の資金調達にとどまらず、中央集権型サービスとDEX・DeFiを組み合わせる暗号資産企業が、公開市場からどう評価されるかを測る重要な事例です。

Blockchain.comが最大60億ドル評価でIPOを計画

CoinDeskがBloombergの報道を引用して伝えたところによると、ロンドンを拠点とする暗号資産金融サービス企業Blockchain.comは、2026年末までの新規株式公開を目指しています。関係者との協議では、約5億ドルを調達し、上場時の企業価値を40億〜60億ドルとする案が検討されているといいます。

同社は2026年の早い時期に、米証券取引委員会(SEC)へ登録届出書の草案を非公開で提出したと報じられました。Blockchain.comはCoinDeskのコメント要請に回答しておらず、証券コード、上場市場、主幹事、公開株数などの条件も公表されていません。

したがって、「60億ドルでの上場が決まった」と解釈するのは適切ではありません。40億〜60億ドルという数字は投資家との協議で示された評価額の範囲であり、市場環境、SECの審査、需要調査によって変更される可能性があります。約5億ドルという調達額も同様に、最終条件ではありません。

Blockchain.comはウォレット、暗号資産交換、取引、融資関連サービスなどを展開してきました。単一の取引所ではなく、カストディ型サービスとユーザー自身が資産を管理するDeFi Walletを含む複数の接点を持つことが特徴です。

SECへの非公開申請は上場承認を意味しない

今回の報道を理解するうえで重要なのが、SECへの「非公開申請」の位置づけです。SECは、一定の発行体が登録届出書の草案を非公開で提出し、一般公開前にスタッフの審査を受ける手続きを認めています。

この制度を利用すると、企業は財務情報、事業上のリスク、資金使途などを直ちに市場へ公開せず、SECとの調整を進められます。しかし、草案を提出しただけでIPOが承認されたわけではありません。SECによる審査は、企業の事業価値や投資収益を保証するものでもありません。

SECの案内では、IPOを行う企業は通常、登録届出書と投資家向けの目論見書を提出します。目論見書には事業内容、財務状態、経営陣、募集条件、リスク要因など、投資判断に必要な情報が記載されます。

Blockchain.comについては、非公開申請と報じられている段階であるため、公開された最終的な登録届出書に基づく売上高、利益、顧客資産、地域別収益などの分析はまだできません。正式な公開申請後は、報道上の評価額よりも、監査済み財務諸表とリスク開示を優先して読む必要があります。

暗号資産IPO市場で注目される理由

CoinDeskは、2025年にステーブルコイン発行企業Circle、暗号資産取引所Gemini Space Station、CoinDeskの親会社でもあるBullishなどの上場が続いた一方、2026年は暗号資産関連のIPOが比較的静かな年になったと伝えています。

その背景として、2026年前半の暗号資産市場の低迷を受け、一部企業が上場計画を延期した可能性が指摘されています。相場が弱い局面では、取引高の減少が交換手数料やトレーディング収益に影響し、投資家が提示する企業評価も低下しやすくなります。

Blockchain.comが年内上場を実現すれば、公開市場が暗号資産企業をどのように評価しているかを確認する新たな材料になります。特に比較対象となるのは、USDCを中心とするCircle、機関投資家向け取引基盤を持つBullish、個人向け交換サービスを展開するGeminiなどです。

ただし、各社の収益源は同じではありません。ステーブルコイン準備資産から収益を得る企業と、売買手数料、スプレッド、カストディ、融資、ウォレット関連サービスを組み合わせる企業では、市場金利や暗号資産価格の影響が異なります。単純な時価総額比較だけで割安・割高を判断することはできません。

DEX・DeFi市場との接点

Blockchain.comは中央集権型の交換・カストディサービスだけでなく、DeFi Walletから利用できるDEX機能も案内しています。同社の公式サポートによると、Blockchain.com DEXでは、ユーザーが暗号資産の管理権を手放さずにウォレットからトークンを交換できます。

この構造では、取引はDEXやスマートコントラクトを介して処理され、ユーザーは中央集権型取引所の口座へ資産を預ける方式とは異なるリスクを負います。カストディ事業では事業者の信用、出金管理、資産保全が重要になる一方、DEXではスマートコントラクト、流動性、価格影響、ネットワーク手数料、接続先プロトコルなどの確認が欠かせません。

Blockchain.comの利用規約も、DeFi Walletからアクセスできる分散型取引所、レンディング、ステーキングなどの一部機能を第三者サービスとして区別しています。つまり、Blockchain.comの画面から利用できる機能であっても、すべてを同社自身が運営・保証しているとは限りません。

IPO後の成長戦略を評価する際は、ウォレット利用者を交換、決済、レンディング、DEXへ誘導できるかに加え、どの機能が自社提供で、どの機能が外部プロトコルへの入口なのかを確認する必要があります。DeFiとの接続は成長機会になる一方、外部スマートコントラクトに由来するリスクを複雑にする要因にもなります。

規制対応と事業地域も重要な評価材料

Blockchain.comの公式ライセンス情報によると、グループ企業は英国、欧州、シンガポール、ケイマン諸島などで暗号資産関連の登録・認可を受けています。たとえば英国法人はFCAに暗号資産交換業者およびカストディウォレット提供者として登録され、マルタ法人はEUの暗号資産市場規則MiCAに基づくサービス提供者として認可されています。

一方、同社は規制環境の変化を理由として、カナダ居住者向けのカストディおよび交換サービスを停止すると案内しています。この事例は、ライセンス取得が一度完了すれば全地域で同じサービスを恒久的に提供できるわけではないことを示します。

公開企業になれば、地域ごとの規制変更、ライセンス維持費用、利用可能な商品、顧客確認やマネーロンダリング対策などが、財務上のリスクとしてより詳しく開示される可能性があります。特に取引、融資、カストディ、DeFi接続を横断する事業者は、単純なソフトウェア企業よりも規制対象が広くなり得ます。

投資家だけでなく、Blockchain.comのウォレットやDEXを利用するユーザーにとっても、契約主体、対象地域、資産を保管する事業者、第三者サービスの責任範囲を確認することが重要です。

投資家とDEX利用者が確認すべきポイント

IPOへの投資を検討する場合、まず公開後の登録届出書と目論見書を確認すべきです。SECのInvestor.govも、IPOでは目論見書に記載された募集条件、事業、財務状態、経営陣などを読む重要性を説明しています。

Blockchain.comの場合は、収益のうち交換、カストディ、融資、機関投資家向け取引などが占める割合、暗号資産価格や取引高への依存度、顧客資産の管理方法、貸付債権の信用リスクなどが焦点になります。また、既存株主による売り出しと会社への新規資金流入を区別し、調達資金の使途も確認する必要があります。

DEX利用者は、IPO報道をサービスの安全性に対する保証と受け取るべきではありません。上場企業になった場合でも、第三者プロトコルのスマートコントラクト、流動性不足、価格変動、偽トークン、ネットワーク障害といったDEX固有のリスクは残ります。

取引前には、接続先ネットワークとトークンのコントラクト、最低受取額、価格影響、手数料、承認トランザクションの内容を確認することが実用的です。長期保有資産と取引用資産を分け、必要以上のトークン承認を残さないこともリスク管理につながります。

まとめ

Blockchain.comは、約5億ドルの調達と40億〜60億ドルの企業評価を視野に、2026年末までの米国IPOを目指していると報じられました。ただし、同社による正式な条件発表や公開目論見書はまだ確認されておらず、上場の実施、時期、評価額はいずれも変更される可能性があります。

今回の計画は、ウォレット、交換、カストディ、融資、DEX接続を組み合わせる暗号資産企業に対し、公開市場がどのような評価を与えるかを測る材料になります。一方で、IPOはサービスや投資収益の安全性を保証するものではありません。

今後はSECへの公開申請、監査済み財務情報、資金使途、株式構成、事業別収益、地域別の規制リスクが重要です。DEX・DeFiの利用者も、上場計画とは切り離して、自己管理型ウォレットと第三者プロトコルに伴うリスクを個別に確認する必要があります。

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