dex.jp
コインベース収益予測、ウォール街が下方修正。第2四半期決算への影響と今後の展望
暗号資産取引所·5分で読める

コインベース収益予測、ウォール街が下方修正。第2四半期決算への影響と今後の展望

SSatoshi.K(dex.jp編集部)公開日: 2026-07-30

📋 この記事のポイント

  • 1Barclays: アナリストのBenjamin Budish氏は、コインベースの第2四半期の取引高が約1,520億ドルになると予測。これは市場コンセンサスである約1,780億ドルを大幅に下回る数値です。結果として、調整後EBITDA(利払い・税・減価償却前利益)もコンセンサスを約3%下回ると見ています。
  • 2Clear Street: アナリストのOwen Lau氏は、個人投資家の活動が予想以上に弱かったとして、取引高を約1,600億ドル、調整後EBITDAを3億100万ドルと予測しています。
  • 3Benchmark: アナリストのMark Palmer氏も同様に、EBITDA予測を3億7,700万ドルに引き下げました。
  • 4Compass Point: 売上高がコンセンサスをわずかに下回るとの見通しを示しています。
ポストLINE

米大手暗号資産取引所コインベース(Coinbase)の2026年第2四半期決算発表を前に、ウォール街のアナリストは収益予測を相次いで下方修正しています。暗号資産市場全体の取引活動が冷え込んだことが主な要因です。しかし、投資家は短期的な業績よりも、同社の将来性、特に米国の規制動向や新たな収益源の成長に注目しています。

暗号資産市場の低迷、コインベースの収益を直撃

2026年第2四半期(4月〜6月)は、暗号資産市場にとって厳しい期間となりました。ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)といった主要銘柄の価格は、前四半期に比べて平均的に下落。特にビットコインは約14%、イーサリアムは約25%もの価格下落を記録しました。この市場の冷え込みは、個人投資家の参加意欲を減退させ、業界全体の現物取引(スポット取引)量を大幅に減少させる結果を招きました。

コインベースの収益の大部分は取引手数料に依存しているため、この取引量の減少は直接的な打撃となります。6月に入り市場には若干の改善が見られたものの、4月と5月の落ち込みを補うには至らず、第2四半期全体として厳しい結果が予測されています。

ウォール街のアナリスト予測、相次ぐ下方修正

市場の状況を受け、複数の大手金融機関がコインベースの業績予測を見直しています。これは、同社の短期的な収益性に対する懸念を反映したものです。

  • Barclays: アナリストのBenjamin Budish氏は、コインベースの第2四半期の取引高が約1,520億ドルになると予測。これは市場コンセンサスである約1,780億ドルを大幅に下回る数値です。結果として、調整後EBITDA(利払い・税・減価償却前利益)もコンセンサスを約3%下回ると見ています。
  • Clear Street: アナリストのOwen Lau氏は、個人投資家の活動が予想以上に弱かったとして、取引高を約1,600億ドル、調整後EBITDAを3億100万ドルと予測しています。
  • Benchmark: アナリストのMark Palmer氏も同様に、EBITDA予測を3億7,700万ドルに引き下げました。
  • Compass Point: 売上高がコンセンサスをわずかに下回るとの見通しを示しています。

これらの予測は、ウォール街がコインベースの取引手数料収入の減少を深刻に受け止めていることを示しています。

取引手数料依存からの脱却:安定収益源の役割

一方で、アナリストはコインベースが取引手数料への依存度を低減させるための戦略を進めている点も評価しています。特に「サブスクリプション&サービス」部門の収益は、市場の変動に左右されにくい安定した収益源として期待されています。

この部門の主な収益源は、ステーブルコイン(USDCなど)の利息収入や、イーサリアム(ETH)をはじめとする各種暗号資産のステーキング報酬です。ユーザーがコインベースのプラットフォーム上で資産を保有・運用することで得られるこれらの収益は、取引が低調な時期においても企業全体の収益を下支えする重要な役割を果たします。第2四半期の現物取引による収益の落ち込みも、この安定収益によってある程度相殺されると見られています。

長期的な成長戦略:デリバティブと予測市場への期待

短期的な業績が市場環境に左右される一方で、コインベースは長期的な成長に向けた投資も積極的に行っています。特に、デリバティブ(金融派生商品)取引や予測市場といった新規事業は、将来の大きな収益の柱となる可能性を秘めています。

デリバティブ市場は、現物市場よりもはるかに大きな規模を持つとされています。コインベースがこの分野でサービスを拡充し、機関投資家やプロのトレーダーを取り込むことができれば、収益構造は大きく変わるでしょう。同様に、予測市場のような新しいユースケースを開拓することも、暗号資産の普及とプラットフォームの成長に繋がります。これらの長期的な取り組みの進捗状況は、投資家が今回の決算発表で注目する重要なポイントの一つです。

最大の不確定要素:米国の規制動向と政治の未来

コインベース、そして暗号資産市場全体の未来を占う上で、最大の不確定要素は米国の規制動行です。現在、米議会では暗号資産に関する複数の法案が審議されており、その内容次第で業界のルールが大きく変わる可能性があります。

投資家にとって、決算の数字以上に重要なのが、この規制の進展に対する経営陣の見解です。コインベースのブライアン・アームストロングCEOが、決算発表の場でどのような展望や戦略を語るのかに、すべての注目が集まっています。明確で前向きな規制の枠組みが整備されれば、それは市場の不確実性を払拭し、新たな成長サイクルの起爆剤となるでしょう。逆に、厳しい規制が導入されれば、同社の事業展開に大きな制約がかかるリスクもあります。まさに、コインベースの「政治的な未来」が、長期的な株価を左右する最大の鍵と言えます。

まとめ

2026年第2四半期のコインベースの決算は、市場の低迷を反映して厳しい数字になることが予想されます。しかし、投資家の関心はすでにその先に向けられています。ステーキング報酬などの安定収益がどの程度業績を下支えしたのか、そしてデリバティブなどの新規事業にどれほどの成長が見込めるのか。さらに最も重要なのは、不透明な米国の規制環境に対して、同社がどのような戦略を描いているかです。今度の決算発表は、単なる過去の業績報告ではなく、コインベースと暗号資産市場の未来を占う試金石となるでしょう。

ポストLINE

関連記事