dex.jp
The Sandboxブリッジ停止、SAND不正発行の経緯と対策
クロスチェーンブリッジ·6分で読める

The Sandboxブリッジ停止、SAND不正発行の経緯と対策

SSatoshi.K(dex.jp編集部)公開日: 2026-08-23

📋 この記事のポイント

  • 1The Sandboxが不正発行を伴う攻撃を受け、Base・BNB Chain間のSANDブリッジを停止しました。
  • 2判明している経緯、利用者への影響、安全確認のポイントを公式情報に沿って解説します。
ポストLINE

The Sandboxは、攻撃者が裏付けのないSANDを発行できる脆弱性を確認し、BaseおよびBNB Smart Chainに関係するブリッジを停止しました。

影響を受けたネットワーク上のSANDは売買・送金を避け、公式から安全宣言と再開条件が示されるまで待つのが妥当です。EthereumとPolygonを含むすべてのSANDが同じ状態とは限らないため、保有チェーンとコントラクトを分けて確認する必要があります。

The Sandboxで発生した問題の概要

CoinDeskは2026年8月22日、ブロックチェーンゲーム基盤のThe Sandboxが、BaseとBNB Smart Chainに関係するSANDのブリッジを停止したと報じました。攻撃者が本来の裏付けを伴わないSANDを発行できる状態になったため、The Sandboxが影響範囲を隔離したという内容です。

クロスチェーン版トークンは通常、送信元でロックまたはバーンされた数量と、送信先で発行される数量の整合性を維持します。今回問題になった「裏付けのないSAND」とは、この対応関係を満たさずに発行されたトークンを指します。

The SandboxはBaseとBNB Smart Chainへの出入りを止め、影響を受けたSANDがほかのネットワークへ移動・償還される経路を遮断しました。初期発表では、ユーザーのウォレット自体が侵害されたとはされていません。一方、詳細な原因、攻撃者が最終的に取得した資産、復旧方法については、正式なインシデント報告を待つ必要があります。

なぜブリッジ停止が必要だったのか

ブリッジは、独立したブロックチェーン間で資産やメッセージの状態を同期する仕組みです。The Sandboxは以前からEthereumとPolygon間の公式ブリッジを提供しており、2024年にはBaseとBNB系ネットワークへのSAND展開も発表していました。

ブリッジ型トークンでは、送信元の資産をロックして送信先で対応トークンを発行する方式や、送信元でバーンして送信先で再発行する方式が使われます。発行権限やクロスチェーンメッセージの検証が破られると、正規の入金が存在しないのに送信先の残高だけを増やせる可能性があります。

この状態でブリッジを動かし続ければ、不正発行されたSANDが別チェーンへ移動し、正規の準備資産と交換される恐れがあります。BaseとBNB Smart Chainを隔離した対応は、影響の拡大を抑えるための緊急措置です。ただし、停止したこと自体は問題の完全解決を意味しません。各チェーンの発行量、ロック残高、不正取引、流動性プールへの影響を照合する作業が必要です。

LayerZeroとOFTをどう理解すべきか

初期のセキュリティ分析では、The Sandboxのクロスチェーン構成に関連する権限が悪用された可能性が指摘されています。報道では、BlockaidがapproveAndCallを経由した操作とLayerZeroのdelegate権限に言及していますが、The Sandboxによる最終的な技術報告はまだ確認できません。

LayerZeroのOFT(Omnichain Fungible Token)は、複数チェーンにまたがるトークン供給を統一的に管理するための規格です。LayerZero公式ドキュメントによると、OAppのdelegateはEndpointを通じてプロトコル設定を管理する権限を持ちます。一方、OAppのownerはpeer設定、所有権、delegateの指定などを管理します。

重要なのは、今回の事象を直ちに「LayerZero全体の脆弱性」と断定できない点です。特定プロジェクトのコントラクト実装、権限設定、アップグレード構成、鍵の管理不備でも同様の結果は起こり得ます。現段階で確認できるのは、The SandboxのSANDクロスチェーン環境で不正発行が発生し、BaseとBNB Smart Chainが停止対象になったことです。

SAND保有者とDEX利用者への影響

利用者が最初に確認すべきなのは、SANDを保有しているチェーンとトークンコントラクトです。ウォレットに「SAND」と表示されていても、Ethereum、Polygon、Base、BNB Smart Chain上の残高はそれぞれ別のコントラクト状態として記録されています。

The Sandboxは、影響を受けたBaseおよびBNB Smart Chain上のSANDについて売買を避けるよう注意を促したと報じられています。Uniswap、PancakeSwap、AerodromeなどのDEXでは、コントラクトが停止されていなくても流動性プール自体は取引可能な場合があります。しかし、取引できることと、安全に償還できることは別問題です。

不正発行によって供給と裏付けの対応が崩れると、DEX価格がほかのチェーンや中央集権型取引所の価格から乖離する可能性があります。安く見えるSANDを裁定目的で購入しても、ブリッジが停止していれば別市場へ移動できません。流動性提供者も、価格変動だけでなく、受け取ったSANDを移動・償還できないリスクを負います。

EthereumまたはPolygon上のSANDについても、ティッカー名だけで安全と判断せず、The Sandbox公式サイトでコントラクトアドレスと最新の対象範囲を確認してください。

利用者が今すぐ確認すべき項目

まず、BaseとBNB Smart Chain上のSANDについて、新しいブリッジ、スワップ、流動性提供を停止します。ウォレット接続だけで資産が移動するわけではありませんが、便乗した偽サイトやフィッシング投稿が現れる可能性があるため、検索広告やSNSの返信欄からリンクを開くのは避けるべきです。

次に、ウォレットのネットワーク名、SANDのコントラクトアドレス、最近の取引履歴をブロックエクスプローラーで確認します。見覚えのない承認がある場合は、その承認先を調査し、信頼できる公式ツールから不要なallowanceを取り消します。ただし、慌てて未知の「緊急リカバリーサイト」に接続してはいけません。

取引所へ入出金する場合も、取引所名だけでなく対応ネットワークを確認します。取引所がSANDの現物取引を継続していても、特定チェーンの入出金は停止されている場合があります。送金前には必ず取引所の告知と入金画面を確認し、再開後も最初は少額でテストするのが安全です。

復旧判断で見るべき公式情報

ブリッジ再開の告知だけではなく、The Sandboxがどのような条件で安全性を確認したかを見る必要があります。具体的には、不正発行分の特定と隔離、各チェーンの供給量と準備資産の照合、脆弱性の修正、管理権限の再設定、第三者監査の有無が重要です。

また、影響を受けたSANDの扱いも確認事項です。DEXやウォレットに残るトークンが正規版として維持されるのか、移行や交換が必要なのか、スナップショットが使われるのかによって利用者の手続きは変わります。The Sandbox、利用中のDEX、ウォレット、取引所の案内を個別に照合してください。

復旧を装った偽トークンや偽エアドロップにも注意が必要です。正規の移行が発表される場合でも、The Sandbox公式サイトと公式アカウントの双方からリンク先を確認し、署名前に対象チェーン、コントラクト、実行内容を読みます。

まとめ

The Sandboxは、裏付けのないSANDが発行された問題を受け、BaseとBNB Smart Chainに関係するブリッジを停止しました。これは不正発行されたトークンを隔離し、ほかのチェーンや準備資産への影響拡大を防ぐための対応です。

利用者は、影響対象のSANDを取引・移動せず、保有チェーンとコントラクトを確認してください。DEXで取引可能でも、価格の妥当性や償還可能性は保証されません。根本原因や補償・移行方法については未確定部分があるため、The Sandboxの正式なインシデント報告と再開条件を待つことが重要です。

本記事は情報提供を目的としており、暗号資産の購入や売却を推奨するものではありません。

ポストLINE

関連記事