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AerodromeとVelodrome統合、Aeroが7ネットワークで始動
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AerodromeとVelodrome統合、Aeroが7ネットワークで始動

SSatoshi.K(dex.jp編集部)公開日: 2026-10-22

📋 この記事のポイント

  • 1BaseのAerodromeとOP MainnetのVelodromeが統合し、Aeroとして7ネットワークへ展開。
  • 2新しい流動性配分、クロスネットワーク設計、LP・利用者が確認すべき変更点とリスクを公式資料に基づいて解説します。
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Aeroは、BaseのAerodromeとOP MainnetのVelodromeを単一のプロダクト、トークン、経済圏へ統合したオンチェーン現物取引プロトコルです。2026年10月21日、Ethereum Mainnetを含む7ネットワークで始動しました。

今回の焦点は、単なるブランド変更ではありません。流動性報酬の決め方を週次投票から継続的な配分へ改め、複数ネットワークの市場をBase上の中核コントラクトから協調させる点にあります。

AerodromeとVelodromeがAeroへ統合

The Blockは、AerodromeとVelodromeが正式に統合し、オンチェーン現物取引所「Aero」を開始したと報じました。AerodromeはBase、VelodromeはOP Mainnetを主要な活動基盤としてきましたが、Aeroでは両者を単一のプロダクト、AEROトークン、経済圏へまとめます。公式ドキュメントも、Aeroを両プロトコルの合併として位置づけています。

開始対象はEthereum Mainnet、Base、Robinhood Chain、Ink、OP Mainnet、Arc、Arbitrumです。公式発表によれば、各ネットワークにはプール、ゲージ、報酬配布コントラクトを含むローカル環境が展開されます。一方、報酬発行、ネットワーク拡張、ネットワーク間の配分はBase上の中核コントラクトが調整します。したがって「全流動性を一つのチェーンへ移す」のではなく、各チェーンで取引を処理しながら経済設計を共通化する構成です。

Aeroはベンチャーキャピタルからの資金調達やトークン販売を伴わずに始動したと説明しています。また、スマートコントラクトはSherlockとChainSecurityによる監査を受けたとしています。ただし、監査済みであることは脆弱性が存在しない保証ではありません。利用者は接続先、コントラクト、承認額を個別に確認する必要があります。

7ネットワーク展開は何を変えるのか

これまでAerodromeとVelodromeの利用者は、主にBaseとOP Mainnetという別々の市場を意識していました。AeroではArbitrumやEthereum Mainnetに加え、Ink、Arc、Robinhood Chainにも同じ取引モデルを展開します。公式発表は、各ネットワークが簡易版ではなくフルデプロイを受けると説明しています。

この設計の狙いは、AEROを中心に流動性インセンティブをネットワーク横断で調整することです。たとえばBaseのステーブルコイン市場、ArbitrumのDeFi市場、OP Mainnetの既存Velodrome市場を、別々の経済圏として運営するのではなく、同じ配分システムの中で比較できます。トークン発行体も、対象ネットワークのプールへ流動性を誘導しやすくなります。

もっとも、Aeroがマルチネットワークであることと、資産が自動的に安全に移動することは同義ではありません。ネットワークをまたぐ交換には、Metaswapsなどブリッジとスワップを組み合わせる機能が関わります。チェーンごとにガス代、流動性の厚さ、価格影響、対応資産が異なるため、取引前には経路と受取額を確認すべきです。Robinhood ChainやArcを含む新しい環境では、ウォレット側の対応状況も実利用上の確認項目になります。

Predictive Allocationで報酬配分を刷新

Aeroの大きな変更点が「Predictive Allocation」です。AerodromeとVelodromeで知られた週次の投票サイクルに代わり、sAERO保有者であるToken Operatorが、取引量を生みそうなプールへ継続的にAllocation Powerを配分します。配分を受けたプールにはAERO Rewardsが流れ、配分者はそのプールから生じるExchange Revenueの持ち分を得ます。

具体例として、Arbitrumで新しいトークン市場の需要増加が見込まれる場合、Token Operatorはそのプールへ配分できます。LPは予想される需要に先回りして報酬を得る機会を持ち、取引者は流動性が厚くなれば価格影響を抑えやすくなります。反対に、予測した取引需要が実現しなければ、配分者の収益は他の参加者を下回る可能性があります。

公式仕様では、同じ預け入れに対する配分変更には開始時点で47時間のクールダウンがあります。配分は変更されるまで維持され、報酬と収益は継続的に蓄積します。また、各プールにはGauge Capがあり、見込まれる収益に対して過大なAERO報酬が出ないよう上限が動的に調整されます。つまり、高い表示報酬だけを見てLP参加を判断するのではなく、配分上限、実際の取引需要、プールの資産構成を併せて見る必要があります。

AEROとsAERO、LPの選択肢

AEROはAeroのERC-20トークンで、ステークするとsAEROを受け取ります。sAEROは配分権とExchange Revenueへの請求権を表すNFT形式のポジションで、従来のveAEROに代わるものです。Token OperatorはsAEROを使い、BaseだけでなくAeroが展開する各ネットワークのプールへ報酬を配分できます。

LPには大きく二つの参加方法があります。AERO-earning liquidityでは、LPポジションをステークしてAERO Rewardsを受け取り、そのポジションが生む取引関連収益はToken Operatorへ流れます。Fee-earning liquidityでは、AERO Rewardsを受け取らず、発生した取引手数料の一部をLPが保持します。一つのポジションが両方を同時に得る仕組みではありません。

集中流動性AMMのSlipstreamでは、指定した価格帯の外へ相場が動くとポジションが非アクティブになります。AeroはSlipstream V3に動的手数料やMEV captureを組み込みますが、価格帯管理そのものが不要になるわけではありません。BaseのWETH・ステーブルコイン系プールでも、手数料収入やAERO報酬だけでなく、インパーマネントロス、価格帯外れ、トークン固有リスクを考慮する必要があります。

利用者と既存参加者が確認すべき点

第一に、旧AerodromeまたはVelodromeの画面をブックマークしている利用者は、公式のAeroサイトとアプリから移行案内を確認してください。検索広告、SNSの返信、偽のアップグレード画面からウォレットを接続せず、トークンやveNFTなど既存ポジションの扱いは公式案内に限定して判断すべきです。本記事では、公式に確認できない交換比率や期限を記載していません。

第二に、取引時は選択ネットワークとトークンアドレスを照合します。同じ名称やシンボルの偽トークン、別チェーンのラップ資産、流動性の薄い模倣プールは、Aeroに限らずマルチチェーンDEXで起こり得る問題です。Ethereum MainnetとBaseではガス代の条件も異なり、表示価格だけで有利不利を判断できません。

第三に、LPは報酬率だけでなく、元本側の価格変動とコントラクトリスクを確認します。Predictive Allocationは将来の取引需要を市場参加者が予測する設計であり、収益を保証する仕組みではありません。Gauge Capや47時間のクールダウンも、短時間で自由に配分を変えられない場面があることを意味します。

最後に、Aeroの「100%オンチェーン」「中央サーバー非依存」という設計説明と、利用者が使うウォレット、RPC、ブリッジ経路、フロントエンドの可用性は分けて考えるべきです。スマートコントラクトが稼働していても、周辺サービスの障害や誤設定で操作しにくくなる可能性があります。少額で経路を確認し、不要なトークン承認を残さない基本対策が実用的です。

DEX市場への影響と今後の注目点

AerodromeとVelodromeの統合により、Dromos Labs系のMetaDEXモデルはBaseとOP Mainnetの枠を越えます。Arbitrumでは既存DEXとの流動性競争、Ethereum Mainnetでは高いガス代を含む執行品質、InkやArc、Robinhood Chainでは新規市場の立ち上がりが評価軸になります。ネットワーク数の多さだけでは成功を判断できず、各プールの深さ、価格影響、実取引、LP収益の持続性を見る必要があります。

特に注目されるのは、Predictive Allocationが需要のある市場へ報酬を素早く届けられるか、Gauge Capが過剰発行を抑えながら十分な流動性を集められるかという点です。週次投票から継続配分へ変わることで反応速度は上がりますが、参加者の予測が同じ市場へ集中すれば、別の有望市場が見落とされる可能性もあります。

また、AeroはSlipstream V3、Metaswaps、Autopilotなど複数機能を一つの経済圏へ統合します。機能が増えるほど利便性は高まり得る一方、利用者が理解すべき実行経路も複雑になります。ローンチ直後は、公式ドキュメントの更新、対応ウォレット、各ネットワークのプール稼働状況を確認し、実績が蓄積するまで慎重に利用する姿勢が妥当です。

まとめ

AerodromeとVelodromeはAeroへ統合され、Ethereum Mainnet、Base、Robinhood Chain、Ink、OP Mainnet、Arc、Arbitrumの7ネットワークで共通の流動性経済圏を始動しました。中核は、AEROとsAERO、各チェーンのローカル市場、Base上の調整機能、そして継続配分型のPredictive Allocationです。

利用者にとって重要なのは、統合を「自動的な利回り向上」と捉えないことです。取引者はネットワークと経路、LPは価格帯と資産リスク、既存参加者は公式の移行案内を確認する必要があります。Aeroが複数チェーンの流動性を実際に効率化できるかは、今後の取引実績と持続的な収益配分で評価されます。

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