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CircleのArc始動、USDC超えを狙う金融特化L1の全貌
レイヤー1ブロックチェーン·6分で読める

CircleのArc始動、USDC超えを狙う金融特化L1の全貌

SSatoshi.K(dex.jp編集部)公開日: 2026-09-17

📋 この記事のポイント

  • 1Circleが金融特化型レイヤー1「Arc」のメインネットを公開。
  • 2USDC建て手数料、機関投資家による検証体制、DeFi連携、ARCトークンとPoS移行構想を公式情報に基づき解説します。
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Circleは、決済・外国為替・トークン化資産・DeFiを一つの基盤で扱うレイヤー1ブロックチェーン「Arc」のパブリックメインネットを公開した。 ArcはUSDCをガス代に使い、金融機関が運営に参加する、ステーブルコイン金融向けのネットワークだ。Circleのジェレミー・アレールCEOは、USDC以上に重要なプラットフォームになり得るとの見方を示している。

CircleがArcメインネットを公開

USDC発行企業のCircle Internet Groupは2026年9月16日、Arcのパブリックメインネット提供開始を発表した。CoinDeskによると、アレールCEOは記者向け説明会で、ArcをCircle史上でも特に重要なプラットフォーム公開と位置付け、USDCそのものより大きな意味を持つ可能性があると語った。

Arcは、汎用ブロックチェーン上に決済機能を追加したものではない。Circleはこれを、決済、外国為替、資産発行、融資、取引、さらにAIエージェント間の商取引まで支える「経済のオペレーティングシステム」と説明している。

背景にはステーブルコイン市場の競争激化がある。USDCという通貨だけを提供する事業モデルでは、銀行、決済会社、他のステーブルコイン発行者との差別化が難しくなる。CircleはArcを通じて、通貨発行から送金、取引、資産管理、アプリ開発までを含む基盤全体へ事業領域を広げようとしている。

Arcの技術的な特徴

Arcの分かりやすい特徴は、ネットワーク手数料をUSDCで支払える点だ。Ethereumなどでは、利用者が送金対象とは別にETHなどのネイティブ資産を用意する必要がある。Arcではドル建て資産で手数料を管理できるため、企業はコストを会計や予算に組み込みやすい。

Circleの公式発表では、Arcは決定論的なサブ秒ファイナリティを備える。取引が確定した後に覆らないことを重視した設計であり、決済、証券取引後の処理、企業間送金など、確定時点が重要な用途を想定している。

またArcはEVM互換で、Ethereum向けの開発ツールやスマートコントラクトの知識を活用できる。CircleはUSDCだけでなく、EURC、トークン化された現実資産、ステーブルコイン間の外国為替取引を受け入れる基盤としてArcを設計している。選択式プライバシー機能も開発中で、閲覧権限を持つ当事者には必要な情報を開示しながら、一般公開範囲を制御する構想だ。

金融機関がバリデーターとして参加

Arcの立ち上げで注目すべき点は、暗号資産企業だけでなく、既存金融の主要企業がネットワーク運営に加わることだ。Circleが公表した創設バリデーターには、BlackRock、DTCC、Intercontinental Exchange、Mastercard、Visa、Standard Chartered、MoneyGram、SBI Groupなどが含まれる。

さらにBNY、HSBC、State Streetを含む100以上の金融機関・エコシステム企業が、Arc上で稼働するか、導入を検討している。これは単なる提携企業一覧ではない。証券決済、資産運用、カード決済、銀行業務を担う組織が、ブロックチェーンの検証や業務接続に関与する点に意味がある。

一方、開始時点のArcは、誰でも自由にバリデーターになれる構成ではなく、許可制のバリデーター集合を採用している。したがってEthereumのような完全にオープンな検証参加モデルとは異なる。金融機関が求める運用責任や予測可能性を優先した設計だが、参加主体の選定権やネットワーク中立性は継続的に確認すべき論点になる。

Uniswap・AaveなどDeFiにも接続

Arcは銀行間決済専用の閉じた台帳ではない。CoinDeskは、取引分野でUniswapとAerodrome、融資分野でAaveとMorphoがArcのエコシステムに参加すると報じている。

この組み合わせにより、USDCを受け取った企業や投資家が、同じネットワーク上で交換、担保設定、融資、流動性供給へ移行できる可能性がある。例えばトークン化された短期金融商品を担保としてUSDCを借り、そのUSDCを国際決済へ利用するといった、現実資産とDeFiをまたぐ構成が考えられる。

ただし、著名プロトコルの参加だけで十分な流動性が生まれるわけではない。DEX利用者は、各プールの預かり資産、取引量、スプレッド、スマートコントラクトの管理権限を個別に確認する必要がある。AaveやMorphoについても、Arc上で提供される市場、担保資産、リスクパラメーターは他チェーン版と同一とは限らない。

ARCトークンとPoS移行構想

Arcでは手数料をUSDCで支払うため、ARCトークンをガス目的で保有する必要はない。CircleはARCを、将来的にネットワークのセキュリティ、ユーティリティ、ガバナンスを調整する資産として設計している。

Circleの公式発表によると、ARCの初期供給量として100億トークンが生成された。ただし同社は、この生成がARCの一般公開や上場を約束するものではないと明記している。市場で自由に購入できることや、保有者が直ちにステーキングへ参加できることを意味しない。

ロードマップでは、2027年以降にProof of Authority型の運営からProof of Stakeへ移行する可能性が検討されている。実現すれば、ARCがバリデーターのステーキングやネットワーク調整に使われる余地がある。ただし、移行時期、参加条件、報酬設計、トークン配布方法は確定事項として扱うべきではない。名称の似た非公式トークンや先行販売を装う詐欺にも注意が必要だ。

DEX・DeFi利用者が確認すべきポイント

Arcを実際に利用する際は、まずArc公式サイト、公式ドキュメント、Circle公式発表から正規のネットワーク情報とアプリURLを確認したい。検索広告やSNS投稿からウォレットを接続せず、チェーンID、RPC、コントラクトアドレスを公式情報と照合することが基本となる。

次に、USDCがどの経路でArcへ移動するかを確認する。CircleのApp KitはEVM系チェーンなどからのブリッジ処理を提供しているが、送金元チェーンの承認取引、ブリッジ手数料、受取先アドレスを実行前に検証する必要がある。最初は少額で送受信を試し、Arc上のUSDC残高とトランザクション履歴が一致することを確かめたい。

DEXではUniswapやAerodromeという名称だけで安全性を判断せず、Arc対応版の公式導線、プールの流動性、価格への影響、許容スリッページを確認する。融資ではAaveやMorphoの担保率、清算条件、オラクル、利用可能資産を読む。USDC建てで価格表示が安定して見えても、スマートコントラクト、ブリッジ、担保価格、バリデーター構成に関するリスクが消えるわけではない。

まとめ

Arcは、CircleがUSDC発行企業から総合的なオンチェーン金融基盤へ進むための中核プロジェクトだ。USDCによる手数料支払い、短時間で確定する決済、EVM互換性、金融機関によるバリデーター運営、Uniswap・Aave・Morphoなどとの接続が主要な特徴となる。

一方、開始時点では許可制バリデーターを採用し、PoS移行やARCトークンの役割には未確定部分が残る。Arcの評価では、参加企業の知名度だけでなく、実際の流動性、運用の透明性、資産移動経路、分散化ロードマップを追うことが重要だ。DEX・DeFi利用者は、公式情報を確認しながら少額から機能とリスクを検証するのが現実的である。

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