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Coinbase、BTC担保の固定金利ローンを導入
ビットコイン担保ローン·7分で読める

Coinbase、BTC担保の固定金利ローンを導入

SSatoshi.K(dex.jp編集部)公開日: 2026-09-23

📋 この記事のポイント

  • 1CoinbaseがMorpho Midnightを活用した固定金利・固定満期のビットコイン担保ローンを開始。
  • 2従来の変動金利型との違い、cbBTCとUSDCの仕組み、返済方法、清算リスクを公式資料から解説します。
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Coinbaseは、ビットコインを担保にUSDCを借りられる固定金利ローンを、Morpho Midnight経由で導入した。 借入時点で金利と返済期日が決まるため、従来のMorpho Blueを利用した変動金利ローンより資金計画を立てやすい。一方、BTC価格の下落や満期後の未返済による清算リスクは残る。

Coinbaseが固定金利のBTC担保ローンを開始

Coinbaseは2026年9月22日、Morphoの固定金利・固定期間レンディングプロトコル「Morpho Midnight」を利用した暗号資産担保ローンを追加した。

対象となる仕組みでは、ユーザーが保有するビットコインを担保として差し入れ、米ドル連動型ステーブルコインのUSDCを借りる。契約時に借入金利と返済期日が確定するため、返済までの市場金利変動に左右されにくいことが特徴だ。

Coinbaseはユーザーインターフェースを提供し、信用市場の基盤にはMorpho Midnight、オンチェーン決済にはBaseを利用する。ユーザーから見るとCoinbaseアプリ内のローン機能だが、裏側ではDeFiプロトコルとブロックチェーンを組み合わせた構成になっている。

Morphoの発表によると、この固定金利商品は既存の変動金利ローンと並行して提供される。既存商品では、約30億ドル相当の担保に対し、アクティブローンが14億ドルを超えている。ただし、この実績値は変動金利型を含む既存ローンの規模であり、今回開始された固定金利商品の利用残高ではない。

Morpho Midnightとは何か

Morpho Midnightは、固定金利・固定満期の信用市場をオンチェーン上に構築するノンカストディ型プロトコルだ。Morpho Blueが主に変動金利市場を提供するのに対し、Midnightでは市場ごとに貸出資産、満期日、対応する担保資産、オラクル、清算条件などが定められる。

Midnightでは、将来1単位のローン資産として返済される「ユニット」を現在の割引価格で取引する。借り手はユニットを売ることでUSDCを受け取り、満期までに1ユニット当たり1USDCを返済する。現在受け取る金額と満期時の返済額との差が、実質的な固定借入コストになる。

取引価格は、貸し手や借り手が提示するオファーによって市場ベースで決まる。銀行が一方的に金利を設定する商品とは異なり、オンチェーン市場の需給が固定金利へ反映される仕組みだ。

Midnightの市場は独立しているため、ある市場で発生した損失が別の市場へ自動的に波及する設計ではない。ただし、独立市場であっても、利用するオラクル、担保の流動性、オファーの厚み、スマートコントラクトなどに固有のリスクがある。

従来の変動金利ローンとの違い

Coinbaseは2025年から、Morphoを利用したビットコイン担保の変動金利ローンを提供してきた。既存商品では、ユーザーが担保に指定したBTCがcbBTCへ変換され、Base上のMorpho市場へ送られる。その後、USDCが借入資産としてCoinbaseアカウントへ反映される。

変動金利型では、Morpho市場の資金需要と供給に応じて借入金利が変わる。返済期限が固定されていないため、好きな時期に返済しやすい一方、市場でUSDCの借入需要が高まれば、想定より金利負担が増える可能性がある。

固定金利型では、借入時に金利と満期が確定する。たとえば事業資金、納税、住宅関連費用など、利用期間をあらかじめ想定できる場合には、返済総額を管理しやすい。ただし、満期までに返済する必要があり、借入後に市場金利が下がっても、契約済みの条件が自動的に引き下げられるわけではない。

したがって、単純に固定金利が有利、変動金利が不利とは判断できない。返済時期の確実性、金利上昇への耐性、途中で返済する可能性を比較して選ぶ必要がある。

BTCとcbBTC、USDCが担う役割

Coinbaseの既存ローンでは、ユーザーが差し入れたBTCはcbBTCへ変換される。cbBTCは、CoinbaseがカストディするBTCを基礎資産とし、Baseなどのオンチェーン環境で利用できるようにしたラップド資産だ。

この構造により、ネイティブBitcoin上のBTCを直接スマートコントラクトへ預けるのではなく、EVM対応トークンであるcbBTCをMorphoの担保として扱える。借入資産にはUSDCが使われるため、BTCを売却せずにドル連動資産の流動性へアクセスできる。

ただし、BTCを売らないことは、価格変動リスクを回避することを意味しない。担保価値はBTC価格に連動するため、BTCが下落すれば借入残高に対する担保余力が低下する。さらに、cbBTCの発行・償還やカストディ、Base、USDC、Morphoのスマートコントラクトという複数の構成要素に依存する。

税務上も「売却していないから必ず課税されない」とは限らない。居住地、担保の変換方法、清算の有無によって扱いが異なるため、税務判断は専門家への確認が必要だ。

返済と途中解約はどうなるのか

Morpho Midnightでは、借り手はUSDCを使って債務ユニットを直接返済できる。直接返済の場合、原則として1債務ユニットを1単位のローン資産で消滅させる。

もう一つの方法は、反対売買によって債務ユニットを買い戻すことだ。市場価格が額面を下回っていれば直接返済より有利になる可能性があるが、成立価格と利用可能なオファーに左右される。希望額を希望価格で必ず決済できるとは限らないため、Midnight市場の流動性確認が重要になる。

満期後も売買や返済は可能だが、新たな債務を増やすことはできない。さらに、満期を過ぎて債務が残っている場合、担保余力があったとしても満期後清算の対象になり得る。これは、貸し手が満期時に資金を回収できるようにするための設計である。

Coinbaseアプリ上の具体的な途中返済手順、手数料、利用資格、提供地域は、固定金利商品の画面に表示される最新条件を確認すべきだ。既存の変動金利商品の上限や提供地域を、そのまま固定金利商品にも当てはめることはできない。

最大の注意点は清算リスク

固定されるのは借入金利と返済期日であり、担保となるBTCの価値ではない。BTC価格が下落し、債務が市場の定める最大債務額を超えると、ポジションは不健全と判定されて清算対象となる。

Midnightの最大債務額は、担保価値と担保ごとの清算LTVを基に計算される。清算時には第三者の清算者が債務を返済し、その対価として担保を受け取る。急激な価格変動や市場流動性の不足によって担保から債務を全額回収できなければ、貸し手側に不良債権として損失が配分される可能性もある。

利用前には、表示された金利だけでなく、現在のLTV、清算水準、満期日、返済用USDCを確保する時期を確認したい。借入可能額いっぱいまで利用せず、BTC急落時にも追加担保や返済で対応できる余裕を残すことが実務上重要だ。

また、借りたUSDCを高リスクなDeFi運用や暗号資産購入へ再投入すると、担保側と運用先の双方で損失が発生し得る。固定金利であっても、レバレッジ取引に近いリスク構造になる点には注意が必要である。

まとめ

CoinbaseによるMorpho Midnightの統合は、変動金利が中心だった個人向けオンチェーン融資に、固定金利と明確な満期という選択肢を加えるものだ。Coinbase、Morpho、Base、cbBTC、USDCを組み合わせ、ユーザーはBTCを売却せずにUSDCを借りられる。

固定金利は借入コストを予測しやすいが、BTC価格下落による清算リスク、満期後の未返済清算、途中で債務を買い戻す際の流動性リスクは解消されない。利用を検討する場合は、金利だけで判断せず、LTV、清算価格、満期、返済資金を一体で管理する必要がある。

今回の統合は、Coinbaseが単なる暗号資産取引所から、オープンなDeFi基盤を利用する信用サービスの窓口へ拡大している事例でもある。今後、Midnightがトークン化株式など別の担保資産へ対応する構想も示されているが、現時点で発表されたCoinbaseの商品はBTC担保のUSDCローンとして理解するのが正確だ。

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