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イスラエル最大手バンク・レウミがGalaxyと暗号資産取引を提供へ
銀行の暗号資産参入·7分で読める

イスラエル最大手バンク・レウミがGalaxyと暗号資産取引を提供へ

SSatoshi.K(dex.jp編集部)公開日: 2026-08-15

📋 この記事のポイント

  • 1イスラエル最大手銀行バンク・レウミがGalaxy Digitalと提携し、2027年初頭からBTC・ETH・SOLの取引を自社アプリで提供。
  • 2銀行が暗号資産へ参入する動きの最新事例を解説します。
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イスラエル最大手の銀行バンク・レウミ(Bank Leumi)が、米Galaxy Digitalと提携し、2027年初頭から顧客向けに暗号資産(仮想通貨)の売買サービスを提供すると発表しました。対象はビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)の3銘柄で、同行の投資アプリ「Leumi Trade」内で取引できるようになります。イスラエルの銀行が顧客に直接デジタル資産取引を提供するのは初めてで、伝統的金融機関が暗号資産をサービスに組み込む世界的な潮流を象徴する動きです。

バンク・レウミが暗号資産取引に参入する背景

バンク・レウミは総資産規模でイスラエル最大の商業銀行であり、リテール・法人の両分野で高いシェアを持ちます。今回の発表によると、レウミ本体と、同行傘下のモバイルバンキング部門「Pepper」の顧客が、投資アプリ「Leumi Trade」内の専用セクションを通じてBTC・ETH・SOLを購入・保有・売却できるようになります。

これまでイスラエルの個人投資家が暗号資産を取引するには、海外の暗号資産取引所や専門プラットフォームを利用するのが一般的でした。銀行が規制の枠組みの中で取引窓口を提供することで、既存の証券口座や銀行口座と一体化したかたちで暗号資産にアクセスできる点が大きな変化です。レウミの戦略責任者マヤ・ラヴィア(Maya Ravia)氏は、デジタル資産が世界の金融システムにおいてますます不可欠な要素になっていると述べています。

重要なのは、レウミがスタンドアロン型の暗号資産取引所ではなく、あえて「資本市場アプリの中」に取引機能を埋め込む戦略を選んだ点です。顧客が使い慣れた規制下の銀行インターフェースを、独立した暗号資産取引所よりも好むという読みが背景にあります。

パートナーとなるGalaxy Digitalとは

取引と関連サービスを提供するのは、米国の暗号資産金融企業Galaxy Digital(ティッカー: GLXY)です。同社はマイク・ノボグラッツ氏が率いる企業で、暗号資産のトレーディング、資産運用、インフラ提供などを幅広く手がけています。

今回レウミが利用するのは、Galaxyが銀行や資産運用会社向けに展開する機関投資家向けプラットフォーム「GalaxyOne Institutional」です。これを通じてレウミ側は取引執行やマーケットメイクといったバックエンドの機能を利用します。銀行が自前でトレーディングデスクや流動性を構築するのではなく、専門企業のインフラを「裏側」で借りることで、迅速かつ規制対応の整った形でサービスを立ち上げられるのが利点です。

Galaxyにとっても、この提携はイスラエルにおける銀行パートナーを獲得する意味を持ちます。Galaxyのイスラエル法人CEOであるリオル・ラメシュ(Lior Lamesh)氏は、銀行のなかでも早期に動く先行者が、オープンでプログラマブルな金融インフラへの移行を形づくることになると語っています。

カギを握るカストディ(保管)インフラ「GK8」

暗号資産を銀行が扱ううえで最も重要なのが、資産を安全に保管するカストディ(保管・管理)の仕組みです。レウミはGalaxyのカストディインフラを利用する契約も締結しました。このカストディ技術は、以前「GK8」として知られていたもので、イスラエル発のセキュリティ技術企業をGalaxyが買収して自社に取り込んだものです。

GK8はもともと、オンラインに接続しない「コールドウォレット」でありながらブロックチェーン上のトランザクションを作成できる技術などで知られ、機関投資家向けの高いセキュリティ水準を売りにしてきました。銀行が顧客の暗号資産を預かる際には、ハッキングや秘密鍵の紛失といったリスクを管理する堅牢なカストディが不可欠であり、この基盤を利用できる点がレウミにとってサービス提供の前提条件となっています。

銀行が暗号資産を「取り込む」世界的な潮流

レウミの動きは、単独の事例ではなく、金融機関が暗号資産へのアクセスを自社の顧客プラットフォーム内部に取り込む世界的な流れの一部です。従来は暗号資産取引所と伝統的銀行は別の世界にありましたが、規制の整備が進むにつれ、両者の境界は徐々に溶け始めています。

銀行が暗号資産取引を提供するメリットは複数あります。第一に、顧客は本人確認(KYC)済みの既存口座をそのまま使えるため、新たに取引所へ登録する手間が省けます。第二に、法定通貨(イスラエルの場合はシェケルなど)と暗号資産の入出金がシームレスになります。第三に、規制当局の監督下にある銀行が扱うことで、資産保全や税務処理の面で安心感が生まれます。

一方で、銀行経由の取引には注意点もあります。取引できる銘柄が限定される(今回はBTC・ETH・SOLの3種類のみ)こと、手数料体系が独立系取引所と異なる可能性があること、DeFi(分散型金融)やDEX(分散型取引所)のように自分でウォレットを管理して幅広いトークンやサービスへアクセスする自由度は得られないことなどです。銀行のサービスは「規制された入り口」であって、オンチェーンの多様なエコシステムそのものではない点は理解しておく必要があります。

今回の発表で「まだ明らかになっていない」こと

今回の発表時点では、重要な条件の多くが未公表であることにも留意が必要です。両社は、手数料や商業上の取引条件、顧客の利用資格(誰が利用できるのか)といった具体的な内容を明らかにしていません。

また、サービス開始は「2027年初頭を予定」とされており、あくまで計画段階です。金融サービスは規制当局の承認状況や技術的な準備によって開始時期が前後する可能性があるため、現時点での発表内容は今後変更される余地があります。CoinDeskによると、バンク・レウミへの追加コメントを求めているとされており、詳細は今後の続報を待つ必要があります。読者としては、確定した仕様ではなく「方針の発表」として受け止めるのが適切です。

日本の投資家・DeFi利用者への示唆

イスラエルの一銀行の動きは、遠い国の話に見えるかもしれません。しかし、伝統的金融機関が規制の枠内で暗号資産を取り扱う流れは、日本を含む各国の金融市場にも共通するテーマです。銀行が「規制された入り口」として暗号資産を提供する一方で、DEXやDeFiは「自分で資産を管理し、より幅広いサービスにアクセスする」領域として存在し続けます。

両者はどちらが優れているという単純な話ではなく、目的に応じて使い分けるものです。安全性と手軽さを重視するなら銀行やライセンスを持つ取引所、より高い自由度やオンチェーン特有の機能を求めるならウォレットベースのDeFi、という住み分けが今後さらに明確になっていくと考えられます。バンク・レウミの事例は、その二極化が世界的に進みつつあることを示す一例といえるでしょう。

まとめ

イスラエル最大手のバンク・レウミが、Galaxy Digitalと提携して2027年初頭からBTC・ETH・SOLの取引サービスを自社アプリ「Leumi Trade」で提供する計画を発表しました。取引・カストディの基盤にはGalaxyの機関投資家向けプラットフォーム「GalaxyOne Institutional」と、旧GK8のカストディ技術が使われます。これはイスラエルの銀行として初の直接的なデジタル資産取引提供であり、伝統的金融機関が暗号資産を自社サービスに組み込む世界的潮流を象徴する動きです。ただし手数料や利用条件など未公表の点も多く、あくまで計画段階である点には注意が必要です。銀行経由の規制されたアクセスと、DEX・DeFiが提供する自由度の高いアクセスは、今後それぞれの役割を持って併存していくと考えられます。

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