dex.jp
ビットコイン8.4万ドル圏で停滞、アルトコイン全面高の背景
アルトコイン·7分で読める

ビットコイン8.4万ドル圏で停滞、アルトコイン全面高の背景

SSatoshi.K(dex.jp編集部)公開日: 2026-09-26

📋 この記事のポイント

  • 1ビットコインが8万4,000ドル台でもみ合う一方、QuantやChainlinkなどアルトコインが上昇。
  • 2資金循環の背景、DeFi市場の動き、Bitget流出事件、DEX利用者の注意点を解説します。
ポストLINE

ビットコイン(BTC)が急騰後の持ち合いに入るなか、暗号資産市場ではアルトコインへの資金移動が広がりました。 CoinDeskによると、2026年9月25日はCoinDesk 100を構成する100銘柄のうち93銘柄が上昇。Quant(QNT)をはじめ、コンピューティング関連やDeFi関連のトークンが市場全体を上回りました。 ただし、全面高はアルトコイン相場の継続を保証するものではありません。DEX利用者は価格上昇率だけでなく、流動性、スリッページ、資金調達率、スマートコントラクトリスクを確認する必要があります。

ビットコイン横ばいの裏でアルトコインが全面高

CoinDeskの報道によると、9月25日のビットコインは8万4,342ドル付近で取引され、協定世界時の午前0時からほぼ変わらない水準でした。BTCは8月の6万3,000ドル未満から上昇し、9月22日には8万7,000ドル近くまで到達した後、方向感に乏しい展開へ移っています。

一方、アルトコイン市場は幅広く上昇しました。CoinDesk 100の100銘柄中93銘柄が24時間ベースで値上がりし、中小型銘柄をまとめたCoinDesk 80は4.7%上昇。大型銘柄中心のCoinDesk 5の上昇率は1.0%にとどまりました。

特に目立ったのが、ブロックチェーン間の業務連携などを手掛けるQuant(QNT)です。QNTは24時間で39%上昇し、この日のアルトコイン相場を象徴する銘柄となりました。ただし、短時間で急騰した銘柄は流動性や注文板の厚さが追いつかず、UniswapなどのDEXでは表示価格と実際の約定価格が大きく離れる場合があります。

なぜBTCの上昇停止が資金循環を起こすのか

今回の値動きは、ビットコインが先に上昇し、その勢いが弱まった後に投資資金がEthereum(ETH)やその他のアルトコインへ移る、過去にも見られた循環と重なります。

BTCが急騰している局面では、投資家は流動性の高いビットコインを優先しやすくなります。しかし、BTCが高値圏で横ばいになると、さらなる短期収益を求める資金がQuant、Chainlink(LINK)、Internet Computer(ICP)、Bittensor(TAO)といった値動きの大きい資産へ向かうことがあります。

先物市場の資金調達率も重要です。ロング需要が集中して資金調達コストが上昇すると、BTCの買い持ちを続ける負担が増えます。その結果、一部のトレーダーがBTCのポジションを縮小し、別のテーマや銘柄へ資金を振り向ける可能性があります。

ただし、これはアルトコインの基礎価値が一斉に改善したことを意味しません。Chainlink、ICP、TAOは用途も収益構造も異なるため、「BTCが横ばいだからすべてのアルトコインが上がり続ける」と考えるのは危険です。

コンピューティングとDeFi関連トークンが上昇を主導

セクター別では、CoinDesk Computing Indexが24時間で9.5%上昇しました。Chainlink、Internet Computer、Bittensorが主な上昇要因として挙げられています。Chainlinkはオラクル基盤、ICPは分散型コンピューティング、Bittensorは分散型AIネットワークを掲げるプロジェクトであり、単一の用途に資金が集中したというより、計算資源やデータを扱う銘柄が広く買われた形です。

DeFi Select Indexも8.7%上昇しました。これに対し、複数の暗号資産指数を組み合わせた市場ベンチマークの上昇率は2.5%でした。コンピューティングとDeFiの両指数は、同ベンチマークの3倍を超える上昇率となっています。

DEX利用者にとっては、Uniswap(UNI)やCurve(CRV)のような交換プロトコルだけを見るのでは不十分です。Aave(AAVE)などのレンディング市場、Chainlinkの価格フィード、各チェーンのステーブルコイン流動性は相互に関係しています。トークン価格が上昇していても、対象プールのTVLや取引量が伴わなければ、大口注文で価格が崩れやすくなります。

また、CoinDesk 100はCoinDesk 20を80%、CoinDesk 80を20%の目標比率で組み合わせる指数です。したがって、構成銘柄の大半が上昇したという情報と、指数全体の上昇率は同じ意味ではありません。値上がり銘柄数が多くても、時価総額の大きいBTCやETHが横ばいなら、指数の上昇は限定されることがあります。

アルトコイン・シーズン指数「56」の読み方

CoinMarketCapのAltcoin Season Indexは、9月25日時点で100段階中56となりました。1週間前は45、1カ月前は38で、CoinDeskは3カ月超ぶりの高水準と報じています。

同指数は、ステーブルコインや資産担保型のラップドトークンなどを除いた上位100銘柄について、過去90日間の騰落率をビットコインと比較する指標です。対象銘柄の75%がBTCを上回ると「アルトコイン・シーズン」、25%以下なら「ビットコイン・シーズン」と判定されます。

したがって、56はアルトコイン優位への移行が進んでいることを示すものの、CoinMarketCapの定義上、まだ75という判定基準には達していません。Quantの39%上昇やChainlink、ICP、TAOの上昇だけを見て、本格的なアルトコイン・シーズンが確定したと判断するのは早計です。

この指数には時価総額、流動性、プロトコル収益、安全性が直接反映されるわけではありません。UniswapのLP提供やAaveへの預け入れを検討する場合は、市場全体の指数とは別に、対象トークンとプールの状態を確認する必要があります。

Bitgetの資金流出でも市場全体は崩れず

同じ時期には、大手暗号資産取引所Bitgetで大規模なセキュリティ事故も発生しました。Bitgetの公式発表によると、9月24日18時31分(UTC)に一部のホットウォレットから不正送金が検知され、推定3億5,160万ドルが影響を受けました。

Bitgetは、コールドウォレットは安全であり、損失額は4億6,400万ドル超のユーザー保護基金で補償可能と説明しています。出金はセキュリティ審査のため一時停止されましたが、入金と取引は継続されました。CoinDeskは、バックエンドのウォレット基盤が侵害され、偽装された取引データによって取引所内部の承認処理が作動したと報じています。一方、Bitgetの初期通知は攻撃手法を断定せず、調査完了まで推測しない方針を示しています。

市場はこの事故を受けても全面的なリスク回避には傾かず、QNTやLINKなどの上昇が続きました。しかし、相場が崩れなかったことと、取引所リスクが小さいことは別問題です。中央集権型取引所の保護基金には一定の役割がありますが、出金停止中は利用者が資産を自由に移動できません。

UniswapやCurveなどのDEXは取引所の出金停止リスクを避けられる一方、秘密鍵の紛失、偽トークン、悪意ある承認、ブリッジ障害、スマートコントラクトの脆弱性といった別のリスクを利用者自身が負います。

DEX利用者が確認すべき実践ポイント

アルトコイン全面高の局面では、上昇率だけを追わず、まず利用するチェーンと取引ペアを確認します。同じLINKやQNTでも、公式コントラクトではない模倣トークンがDEXに作られる可能性があるため、プロジェクト公式サイトや信頼できるブロックエクスプローラーとの照合が欠かせません。

次に、UniswapやCurveの画面で価格への影響と最低受取額を確認します。流動性が薄いプールでは、チャート上の上昇率が高くても希望価格で売却できないことがあります。取引を複数回に分ける方法にはガス代の増加という欠点もあるため、総コストで比較すべきです。

Aaveなどでアルトコインを担保に借り入れる場合は、価格上昇後の急反落を想定します。担保価値が下がると清算リスクが高まるため、借入上限まで利用しない、ヘルスファクターを監視する、ステーブルコインのデペッグも考慮するといった管理が必要です。

最後に、CoinMarketCapのAltcoin Season Index、CoinDesk 80とCoinDesk 5の相対的な動き、BTCの値動き、先物市場の資金調達率を組み合わせて確認します。単一の指標やQuantの急騰だけで市場全体を判断せず、出来高と流動性を伴った上昇かを見極めることが重要です。

まとめ

9月25日の暗号資産市場では、ビットコインが8万4,000ドル台で持ち合う一方、CoinDesk 100の100銘柄中93銘柄が上昇しました。Quantが24時間で39%上昇し、Chainlink、Internet Computer、Bittensorがコンピューティング分野を、DeFi関連トークンが分散型金融分野を押し上げました。

ただし、CoinMarketCapのAltcoin Season Indexは56であり、定義上のアルトコイン・シーズン判定となる75には届いていません。Bitgetの資金流出事件も含め、市場価格が堅調でもセキュリティリスクや流動性リスクが消えたわけではありません。

DEXを利用する際は、公式コントラクト、プール流動性、スリッページ、承認内容、担保の清算余力を確認し、急騰銘柄への過度な集中を避けることが現実的な対応となります。

ポストLINE

関連記事