STONKは、Solana上のトークン発行プラットフォーム「StonkFun」に関連する暗号資産です。2026年9月6日、STONKは24時間で250%超上昇し、時価総額は約1億4,000万ドルに達しました。
上昇の直接的な材料として注目されたのが、StonkFunとRaydium LaunchLabの統合です。ただし、株式連動トークンとの取引ペアは株式そのものではなく、価格上昇や買い戻し施策が将来の価値を保証するものでもありません。
STONKが250%超上昇、時価総額は約1億4,000万ドルに
The Blockによると、StonkFunに関連するSTONKは2026年9月6日午後、約0.16ドルで取引され、過去24時間の上昇率は250%を超えました。同時点の時価総額は約1億4,000万ドル、24時間取引高は約1億3,500万ドルです。
STONKは同日、一時0.212ドルの過去最高値を記録した後、約0.16ドルまで反落しました。短期間に大きく上昇した一方、高値から急速に値を戻している点は、この市場のボラティリティを端的に示しています。
関連銘柄にも買いが波及しました。The Blockが報じた同時点のデータでは、RaydiumのRAYは24時間で約46%上昇して約1.27ドル、JupiterのJUPは約21%上昇して約0.27ドルとなっています。これらは2026年9月6日時点の価格であり、現在価格を示すものではありません。
今回の値動きは、単一トークンへの投機だけでなく、新規トークンの発行、Raydiumへの流動性移行、Jupiterを通じた取引経路というSolana DeFi全体への期待が重なった結果と考えるのが適切です。ただし、価格変動だけから各プロトコルの収益や継続的な利用増加を断定することはできません。
StonkFunとは何か
StonkFunは、Solana上で新しいトークンを作成し、別の暗号資産と組み合わせた市場を立ち上げられるローンチパッドです。一般的なミームコイン市場ではSOLやステーブルコインが取引相手になりやすいのに対し、StonkFunはトークン化された株式・ETF、暗号資産、通貨、コモディティなどをペア資産として選べる点を特徴としています。
代表例が、STONKとSPYxのペアです。SPYxはBacked Assetsが発行するトラッカー証書で、SPDR S&P 500 ETF Trustを通じてS&P 500の値動きを追跡するよう設計されています。SolanaではSPLトークンとして流通します。
ここで重要なのは、「STONKがS&P 500に連動する」のではないことです。STONKのドル建て価格は、STONKとSPYxの交換比率に加え、SPYx自体のドル建て価値にも左右されます。S&P 500が上昇しても、STONKがSPYxに対してそれ以上に下落すれば、STONKのドル建て価格は下がり得ます。
StonkFunではZcashのZEC、HyperliquidのHYPE、BittensorのTAOなどを取引相手とするプロジェクトも確認されています。つまり「株式ペア専用」というより、さまざまなトークンを価格の分母として利用できる市場作成基盤へ発展していると捉えられます。
Raydium LaunchLabとの統合で何が変わったのか
StonkFunは2026年9月5日、新規トークンをRaydiumのLaunchLab経由で発行する統合を発表しました。プロジェクト側は、導入費用の軽減、スナイパー対策、ボンディングカーブ終了後も蓄積される流動性を利点として挙げています。
Raydiumの公式ドキュメントによると、LaunchLabでは新規トークンが最初にボンディングカーブ上で取引されます。購入が進んで設定された卒業条件を満たすと、資産がRaydiumのCPMMプールへ移行し、通常のAMM市場として取引できるようになります。
この仕組みでは、発行直後の価格形成と卒業後の流動性市場が連続しています。StonkFunが独自の発行画面やペア資産を提供しつつ、基盤部分でRaydiumのローンチおよび流動性インフラを利用する構成です。
統合前には、発行直後のスナイピング、単一ウォレットによるローンチ、導入費用について利用者から不満が出ていました。StonkFunは9月2日の投稿で、これらの問題に対応する変更を示しており、LaunchLab統合はその改善策の一部と位置付けられます。ただし、ボンディングカーブを使えば先回り取引や価格操作のリスクが完全になくなるわけではありません。
RaydiumとJupiterへ取引量が流れる仕組み
LaunchLab上のトークンは、卒業前にはボンディングカーブで売買され、卒業後にはRaydiumの流動性プールへ移行します。そのため、StonkFunで発行・取引されるトークンが増えるほど、Raydiumのローンチ機能やAMMが利用される機会も増えます。
一方、JupiterはSolana上の複数の流動性ソースを比較するDEXアグリゲーターです。Jupiterの公式ドキュメントでは、Meta-AggregatorがMetis、JupiterZ RFQ、Dflow、OKXなどのルーティングエンジンを競合させ、注文ごとに取引経路を構築すると説明されています。
StonkFunの卒業済みトークンにRaydium上の流動性が形成され、そのプールがJupiterの経路探索対象になれば、利用者はStonkFunの画面だけでなくJupiter経由でも交換できる可能性があります。これが「StonkFunがRaydiumとJupiterへ取引量を引き込む」と表現される理由です。
ただし、JUPの価格上昇がすべてStonkFun由来だったと断定することはできません。Jupiterは複数のプロトコルや流動性ソースを扱うため、市場全体の地合い、他サービスの利用状況、投機的な連想買いも価格形成に影響します。
買い戻し・バーンのフライホイール
StonkFunは、取引手数料の一部を利用したトークン買い戻しプログラムも運営しています。The Blockが確認したプロジェクトの説明では、対象となるv3プールの取引手数料の一部を、時価総額上位のプラットフォーム内トークンの購入とバーンに使用します。
購入対象と配分は時価総額を基準に決まり、買い戻されたトークンはバーンされます。記事公開時点では、買い戻し・バーンの対象になったトークンは累計78銘柄と報告されていました。
このモデルが「フライホイール」と呼ばれるのは、取引増加が手数料収入を生み、その一部が買い戻しに回り、さらに市場の注目を集めるという循環を想定しているためです。Raydium LaunchLabとの統合によって発行数と取引が増えれば、買い戻し原資が拡大する可能性があります。
しかし、買い戻しがあることと価格が上がり続けることは同義ではありません。売り圧力が買い戻し額を上回る場合や、取引量が減少した場合、期待された効果は弱くなります。買い戻しの実績を評価する際は、名目金額だけでなく、手数料収入、実際の購入履歴、バーン先、流動性の厚さをオンチェーンで確認する必要があります。
株式ペア型トークンを取引する際の注意点
第一に確認すべきなのは、発行されたミームコインとペア資産の法的・経済的な違いです。STONKとSPYxのペアを購入しても、STONK保有者がSPDR S&P 500 ETF Trustの株主になるわけではありません。議決権や通常の証券口座におけるETF持分が自動的に付与されるものでもありません。
第二に、二重の価格変動があります。例えば新規トークンをSPYxで評価する市場では、新規トークンとSPYxの交換比率、SPYxと米ドルの交換価値の双方が損益に影響します。SOL建てペアとは異なる値動きに見えても、リスクが小さくなったとは限りません。
第三に、時価総額と売却可能額を混同しないことが重要です。流動性の薄いトークンでは、表示上の時価総額が大きくても、まとまった数量を売却すると価格への影響が急拡大します。Raydiumのプール残高、Jupiterの見積もりに表示される価格影響、最低受取額、利用するルートを注文ごとに確認すべきです。
また、同じシンボルを名乗る偽トークンへの対策として、StonkFun、Raydium、Jupiterなどの公式画面でミントアドレスを照合してください。スリッページ許容値を不用意に広げず、少額で売買経路と売却可否を試すことも実務上の基本です。
まとめ
STONKの急騰は、株式連動資産などを取引相手にできるStonkFunの独自性と、Raydium LaunchLabへの統合が同時に注目された出来事です。2026年9月6日時点ではSTONKだけでなくRAYやJUPも大きく上昇し、Solana上のローンチパッド、AMM、DEXアグリゲーターをまたぐ資金循環への期待が表面化しました。
技術面では、StonkFunが市場のテーマとペア資産を提供し、Raydiumが発行後の流動性基盤を担い、Jupiterが複数市場から取引経路を探索するという役割分担がポイントです。
一方、株式連動トークンとのペアは株式の保有を意味せず、買い戻しやバーンも利益を保証しません。利用者は価格上昇率だけで判断せず、ミントアドレス、ペア資産の権利、プール流動性、価格影響、売却経路を確認したうえで取引する必要があります。





