dex.jp
Ponsが手数料上位に、Robinhood Chain急拡大の実像
分散型取引所·8分で読める

Ponsが手数料上位に、Robinhood Chain急拡大の実像

SSatoshi.K(dex.jp編集部)公開日: 2026-09-04

📋 この記事のポイント

  • 1Pons公式サイトではなく、Robinhood ChainのBlockscoutでトークンアドレスを照合する
  • 2V1とV2のどちらで作成されたトークンか確認する
  • 3クリエイター税を含む売買手数料と、取引画面の最終受取額を確認する
  • 4流動性、保有者の集中度、作成者アドレス、主要ウォレットの売買履歴を調べる
  • 5少額取引でスリッページと実際の約定価格を確認する
ポストLINE

Ponsは、Robinhood Chain上で誰でもトークンを作成し、取引市場を開設できるローンチパッドです。 2026年9月、Ponsの利用急増により、同アプリは暗号資産業界でも有数の手数料発生源となりました。 ただし、手数料の増加は利用者の利益やトークン価格の持続的上昇を意味しません。今回の動きは、新しいブロックチェーンにおける投機需要とアプリ収益の関係を示す事例として理解する必要があります。

Ponsが暗号資産業界の手数料上位へ浮上

CoinDeskが2026年9月3日に報じたところによると、Ponsでは直近24時間に約595万ドルの手数料が発生し、DefiLlamaが集計するプロトコルの中で4位に入りました。同記事掲載時点ではTether、Uniswap、Circleに次ぐ水準で、Pumpの約464万ドルやHyperliquidの約200万ドルを上回っています。

さらに、基盤となるRobinhood Chain自体の手数料は同じ期間に約400万ドルでした。アプリであるPonsの手数料が、そのアプリを処理するチェーンの手数料を上回った点が今回のニュースの核心です。

ただし、DefiLlamaの24時間集計は常に移動する指標です。閲覧する時刻によって順位や金額が変わるため、「恒常的に業界4位になった」と解釈するのは適切ではありません。今回確認されたのは、特定の24時間にPonsがTetherやUniswapに続く規模の手数料を生み出したという事実です。

CoinDeskによれば、9月2日にはPons経由で約2万5,000種類のトークンが作成され、24時間の取引高は5億4,400万ドルに達しました。2026年7月以降の累計では、16万7,000を超える作成者アドレスから約64万6,000種類のトークンが生まれたとされています。

Ponsはどのようにトークンを作るのか

Ponsは、トークンの作成と初期市場の形成を簡略化したアプリです。利用者は名称、シンボル、画像、説明、関連リンク、手数料の受取先などを設定し、自分のウォレットでトランザクションを承認します。Ponsの公式資料は、アプリが利用者の資金を預からない非カストディ型であると説明しています。

Ponsの現行ドキュメントには複数世代の仕組みが掲載されています。初期バージョンでは、作成されたトークンがWETH建てのUniswap V3プールへ直接展開されます。ローンチ手数料は0.0005 ETH、プール手数料は1%と明記されています。

一方、Pons V2では、トークンが最初にボンディングカーブ上で販売され、所定の条件を満たした後にUniswap V4の流動性プールへ移行します。移行後の流動性ポジションはロッカーに保管される設計です。V2では標準取引手数料に加え、作成者が設定する任意のクリエイター税が存在するため、利用者は売買前に個別トークンの手数料条件を確認しなければなりません。

このように「Ponsで作られたトークン」といっても、利用しているバージョンやコントラクトによって取引経路が異なります。名称や画像は複製できるため、公式ドキュメントとRobinhood ChainのBlockscoutを使い、必ずコントラクトアドレスを照合することが重要です。

手数料収入とPONS買い戻し・バーンの仕組み

Ponsの収益は、トークンを作成するときの手数料だけではありません。作成後に売買が続くと、取引のたびに手数料が発生し、その一部がプロトコルやトークン作成者へ配分されます。このため、ローンチ件数よりも、その後どれだけ取引が継続するかが手数料規模を大きく左右します。

Pons V1の公式資料によると、プロトコル手数料の80%を自動TWAPによるPONSの買い戻しに使い、取得したPONSをバーンアドレスへ送る運用が行われています。残る20%はインフラ費用とチーム拡大に充てる方針です。ただし、この配分は記事掲載時点で不変のスマートコントラクト仕様ではなく、将来のリリースで自動化・分散化する計画とされています。

CoinDeskは、元の供給量の29%に相当する約2億9,300万PONSがすでに流通から除かれ、PONS価格が1週間で約300%上昇したと報じました。しかし、バーンは価格上昇を保証するものではありません。Pons自身も公式資料でこの点を明記しています。

また、V2の買い戻し機能はV1と同一ではありません。V2では、作成者が自分の手数料の一部を対象トークンの買い戻しへ回す設定を選択できます。買い戻されたトークンは直ちに焼却されるのではなく、作成者とプロトコル向けに5年間かけて解除される保管庫へ入ると説明されています。投資判断では、V1のPONS買い戻しとV2の個別トークン向け制度を混同しないことが大切です。

Robinhood Chainで活動が急増した背景

Robinhood Chainは、Ethereum上に構築されたArbitrum系Layer 2です。公式ドキュメントによれば、データ可用性にはEthereumのblobを利用し、ガス代の支払いにはETHを使用します。メインネットのチェーンIDは4663です。

Robinhoodはこのネットワークを、株式、ETF、非公開資産などの現実資産をオンチェーン化する基盤として位置付けています。ところが、立ち上げ初期の大きな活動源になったのは、Cash Cat、Goose Token、Chump Coinなどのミームコインと、Ponsを通じた大量のトークン作成でした。

CoinDeskによると、Robinhood ChainはPonsの取引が膨らんだ1日だけで約400万ドルの手数料を記録しました。これは2026年7月の稼働開始から同記事掲載時点までに発生した約2,000万ドルの、およそ5分の1に当たります。短期間の投機的な需要が、新しいL2の利用量を急激に押し上げたことが分かります。

RobinhoodのVlad Tenev CEOも2026年第2四半期の決算説明会で、外部開発者が同社の想定していなかった方法でもネットワークを利用していると説明しました。Ponsは、パーミッションレスなチェーンを外部へ開放した結果、第三者アプリが主要な活動源になった代表例といえます。

チェーン手数料はRobinhoodの売上と同じではない

Robinhood Chainで発生した手数料総額を、そのままRobinhood Marketsの企業収益とみなすことはできません。ブロックチェーン上の総手数料、チェーンが保持する金額、Robinhoodが会計上認識する収益は、それぞれ異なる指標だからです。

Robinhoodの2026年第2四半期決算説明会で、Shiv Verma CFOは、同社がチェーン上の取引から平均して数ベーシスポイントを受け取り、その約半分を基盤技術を提供するArbitrumと分ける考え方を示しました。取引高全体に対して単純に一定割合を受け取るという説明ではなく、取引単位の収益構造です。

PonsもRobinhoodの直営サービスではなく、Robinhood Chain上で動作する独立プロジェクトです。Ponsの手数料、Robinhood Chainのネットワーク手数料、Robinhood Marketsの収益を同一視すると、事業価値を過大評価する可能性があります。

一方で、Ponsのトークン作成や売買はすべてRobinhood Chain上のトランザクションを必要とします。そのため、個々のミームコインの時価総額より、継続的な取引件数やアクティブなアプリ数の方が、ネットワーク利用の持続性を判断する材料になります。

利用者が確認すべきリスクと実務ポイント

Ponsを利用するときは、トークンを簡単に作成できることと、安全に取引できることを分けて考える必要があります。公式資料も、ローンチされたトークンは実験的であり、価格急変、流動性不足、ウォレットやRPC、インデクサー、スマートコントラクトの障害によって損失が生じ得ると警告しています。

実際に取引する場合は、少なくとも次の項目を確認してください。

  • Pons公式サイトではなく、Robinhood ChainのBlockscoutでトークンアドレスを照合する
  • V1とV2のどちらで作成されたトークンか確認する
  • クリエイター税を含む売買手数料と、取引画面の最終受取額を確認する
  • 流動性、保有者の集中度、作成者アドレス、主要ウォレットの売買履歴を調べる
  • 少額取引でスリッページと実際の約定価格を確認する
  • Pons、Uniswap、Robinhood Chainそれぞれのコントラクトリスクを区別する

Cash Catなど一部の銘柄へ資金が集中していても、同じチェーン上の新規トークンが同様の流動性を得られるとは限りません。多数のトークンが短期間に作成される環境では、類似名称、偽リンク、低流動性銘柄を特に警戒すべきです。

まとめ

Ponsは、ミームコインを簡単に作成・取引できる仕組みによって、2026年9月に暗号資産業界でも上位の手数料を記録しました。その活動はRobinhood Chainの手数料と取引件数も押し上げ、RWAやトークン化株式を掲げて始まったネットワークに、想定外の主要用途をもたらしています。

一方、短期間の手数料急増は、需要の持続性や個別トークンの安全性を保証しません。PonsのV1とV2では市場形成や買い戻しの仕組みが異なり、チェーン手数料とRobinhoodの企業収益も別物です。

読者が注目すべきなのは、PONSや個別ミームコインの価格だけではありません。取引件数、継続的な利用者、流動性の分布、手数料の配分、外部開発者によるアプリの定着を追うことで、Robinhood Chainの成長が一時的なブームなのか、持続的なDeFiエコシステム形成につながるのかを判断しやすくなります。

ポストLINE

関連記事