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コインベースがアブダビでトークン化証券ハブ、FSRA認可を取得
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コインベースがアブダビでトークン化証券ハブ、FSRA認可を取得

SSatoshi.K(dex.jp編集部)公開日: 2026-08-12

📋 この記事のポイント

  • 1コインベースがアブダビ(ADGM)でトークン化証券の取り扱い認可を取得。
  • 2米国外でのRWAトークン化拠点構築の狙いと、DeFi合成可能な証券トークンの意味を解説します。
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米暗号資産取引所大手コインベース(Coinbase)は2026年8月11日、アラブ首長国連邦アブダビの金融特区ADGMの規制当局から金融サービス認可(Financial Services Permission)を取得したと発表しました。これにより、米国外を拠点にトークン化証券の組成・カストディ(保管)を行える体制が整いました。本記事では、この動きの背景と、DEX・DeFiユーザーにとっての意味を整理します。

結論として、コインベースは「証券」「ブロックチェーンネイティブなトークン」「DeFiで合成可能な資産」という三つの性質を同時に満たすトークン化株式の提供を、規制下で目指しています。これは従来のRWA(実世界資産)トークン化の一歩先を狙う試みです。

コインベースがアブダビで取得した認可の中身

コインベースは、アブダビ・グローバル・マーケット(ADGM)の規制当局である金融サービス規制庁(FSRA:Financial Services Regulatory Authority)から金融サービス認可を取得しました。この認可により、同社は投資案件の組成(アレンジ)と、トークン化証券のカストディ提供が可能になります。

同社の説明によれば、この認可を用いて発行するのは「原株式(underlying shares)に裏付けられたデジタル証券」です。これらのトークンはADGM内で登録・発行され、FSRAの監督下に置かれます。つまり、規制上は明確に「証券」として扱われながら、ブロックチェーン上で発行・移転される点が特徴です。

この拠点は、コインベースの「国際トークン化ハブ(international tokenization hub)」と位置づけられており、米国外でトークン化事業を展開するための規制上の基盤となります。

なぜ「アブダビ」だったのか

アブダビは、トークン化の実証実験の場(test bed)としての地位を積極的に築いてきました。ADGMは2018年に仮想資産に関する規制フレームワークを導入し、以降、規制下での拠点を求める暗号資産・トークン化企業を数多く誘致してきました。

中東地域には明確な規制枠組みを持つ金融特区が複数存在しますが、コインベースがアブダビを選んだ背景には、証券性の高いトークンを扱ううえで信頼できる監督体制が求められた点があると考えられます。証券としての性質を持つトークン化株式は、単なる暗号資産よりも規制上のハードルが高く、明確なルールを持つ管轄地が不可欠だからです。

「証券・トークン・DeFi資産」を同時に満たす狙い

今回の発表で注目すべきは、コインベース・インスティテューショナル(機関投資家向け部門)の共同CEOであるブレット・テジポール(Brett Tejpaul)氏の発言です。同氏は「主要な金融センターで、トークン化された株式を『証券』『ブロックチェーンネイティブなトークン』『DeFiで合成可能な資産』として同時に扱うフレームワークを構築したところはまだない」と述べています。

この三位一体の設計は、RWAトークン化の理想形とされてきたものです。従来のセキュリティトークンの多くは、規制対応を優先するあまり、DeFiプロトコルとの相互運用性(コンポーザビリティ)が制限されていました。もしコインベースが証券性を保ちつつDeFiで利用可能なトークンを実現できれば、トークン化株式を担保にしたオンチェーン取引など、新しいユースケースが開ける可能性があります。

ただし、これは現時点では方針の表明であり、具体的にどのDeFiプロトコルと連携するか、どの銘柄が対象になるかといった詳細は明らかにされていません。実装がどこまで進むかは今後の情報を待つ必要があります。

トークン化が伝統金融で広がる背景

コインベースのこの動きは、トークン化が伝統金融(TradFi)全体で勢いを増している流れの中にあります。世界的な資産運用会社や銀行が、ファンド、債券、プライベートクレジット、株式などをブロックチェーン上に載せる取り組みを進めています。

推進派がトークン化に期待するのは、主に次の点です。第一に、証券を24時間365日、より容易に移転できるようになること。第二に、取引の決済をほぼ即時に行えること。第三に、将来的にオンチェーン市場で担保として利用できるようになることです。

こうした利点は、DEXやDeFiの文脈でも重要です。オンチェーンで完結する証券取引や担保運用が実現すれば、既存の分散型金融インフラと伝統的資産の橋渡しが進むためです。もっとも、これらは技術的な可能性であり、規制・流動性・実務面の課題が残っている点は冷静に見ておくべきです。

コインベースのUAE展開と過去の取り組み

今回のアブダビでの認可取得は、コインベースにとって突然の中東進出ではありません。同社はUAEですでに複数の足場を築いてきました。

まず、コインベースはドバイでデリバティブ(金融派生商品)事業を展開しています。また、2023年には資産運用部門が「Project Diamond(プロジェクト・ダイヤモンド)」と呼ばれるデジタル資産の発行・管理に関する取り組みを開始していました。

今回のアブダビでの国際トークン化ハブは、こうしたドバイのデリバティブ事業や過去のプロジェクトと並び、同社のUAEにおける存在感をさらに深めるものです。アブダビがトークン化の主要な実証の場を目指すなかで、コインベースはその中核プレイヤーの一つとして位置取りを進めていると言えます。

日本のDEX・DeFiユーザーへの示唆

日本のユーザーにとって、今回の発表は直接的なサービス提供を意味するものではありません。対象はADGM管轄下での機関投資家向けが中心であり、日本国内での提供や日本居住者の利用可能性については現時点で言及されていません。

それでも、この動きは中長期的に注目に値します。証券性を持つトークンがDeFiで合成可能になる方向性は、オンチェーン金融の設計思想そのものに影響を与える可能性があるためです。トークン化株式が担保として使えるようになれば、DEXや貸借プロトコルの担保資産の幅が広がることも考えられます。

一方で、規制の枠組みは管轄地ごとに大きく異なります。ADGMで認可された仕組みがそのまま他国で通用するわけではなく、日本を含む各国の規制動向とあわせて見ていく必要があります。過度な期待を持たず、公式発表と規制当局の情報を継続的に確認する姿勢が重要です。

まとめ

コインベースは、アブダビのADGMでFSRAから金融サービス認可を取得し、米国外におけるトークン化証券の国際ハブを構築します。原株式に裏付けられたデジタル証券を、規制下で発行・カストディできる体制が整った点が今回の要点です。

最大の特徴は、トークン化株式を「証券」「ブロックチェーンネイティブなトークン」「DeFiで合成可能な資産」として同時に扱おうとする野心的な設計方針にあります。これが実現すれば、伝統的資産とDeFiの橋渡しが一段と進む可能性があります。

ただし、現時点では方針表明の段階であり、対象銘柄や連携プロトコル、地域展開の詳細は未確定です。DEX・DeFiに関心を持つユーザーは、コインベースやADGMの公式情報を追いながら、規制と実装の進展を冷静に見極めることをおすすめします。

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