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Ethena Pay始動、ステーブルコインを日常金融へ
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Ethena Pay始動、ステーブルコインを日常金融へ

SSatoshi.K(dex.jp編集部)公開日: 2026-09-02

📋 この記事のポイント

  • 1Ethenaが貯蓄、Visaカード、海外送金を統合したEthena Payを開始。
  • 2USDeの仕組みや最大6%の報酬、AVAX還元、日本で利用する際の注意点を解説します。
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Ethena Payは、ステーブルコインによる貯蓄、カード決済、送金、法定通貨との交換を一つのアプリに統合した金融サービスです。 最大年率6%相当の報酬や最大5%のカード還元を掲げますが、銀行預金ではなく、USDeやAVAXなどのデジタル資産に固有のリスクがあります。

Ethenaがステーブルコインの日常利用へ進出

CoinDeskは2026年9月1日、USDeを発行するEthenaが消費者向けアプリ「Ethena Pay」を開始したと報じました。これまでEthenaは、暗号資産とデリバティブを組み合わせた合成ドルUSDe、報酬を蓄積するsUSDeなど、主にDeFi利用者向けの金融基盤を提供してきました。

Ethena Payでは、その基盤を一般的な金融アプリに近い画面と利用体験で提供します。利用者はドル相当資産の保有、Visa加盟店でのカード決済、他の利用者への送金、外部ウォレットや銀行口座への出金などを一つのアプリから操作できます。ドル、英ポンド、ユーロの入金経路や、法定通貨のIBANとセルフカストディ型ウォレットを接続する機能も案内されています。

サービス開始時は早期アクセス利用者を段階的に受け入れ、9月中にベータ版からの拡大を進める計画です。決済と送金の決済基盤にはAvalancheが採用されました。Ethereumを中心に成長してきたEthenaにとって、Avalancheへの展開は利用場面をDeFi取引から日常的な資金移動へ広げる動きといえます。

最大6%の報酬は銀行預金の利息ではない

Ethena Payが打ち出す貯蓄機能では、対象残高に対して最大年率6%相当の報酬が提示されています。ただし、これは銀行の普通預金や定期預金に付く利息ではありません。

公式FAQによると、利用者の残高には変動するUSDeのベースレートが適用され、Ethena Payが「Daily Boost」と呼ぶプロモーション報酬を上乗せします。Standardでは対象残高5,000ドルまで年率5%、Proでは15,000ドルまで年率6%、VIPでは50,000ドルまで年率6%が設定されています。上限を超えた部分にはUSDeのベースレートのみが適用されます。

Daily Boostは日々計算され、USDeで支払われますが、毎月少なくとも1件の対象カード取引が必要です。また、運営側の裁量によるプロモーションであり、恒久的な固定利回りではありません。公式文書も、預金、利息、政府の預金保険対象ではないと明記しています。

EthenaのsUSDeでは、USDeをステーキングすると報酬蓄積型トークンを受け取ります。報酬は主に、USDeの裏付け資産、ショート・デリバティブの資金調達収益、ステーキング報酬などから生じます。市場環境によってプロトコル収益やベースレートは変化するため、表示年率を将来の確定収益として扱うべきではありません。

最大5%のカード還元には条件がある

Ethena Pay Spend CardはVisa加盟店で利用できるカードで、利用額に応じた還元はAvalancheのネイティブ資産AVAXで支払われます。広告上の「最大5%」は全利用者、全決済、全利用額に一律適用されるわけではありません。

Standardの最初の月間2,500ドル分は4%、Proの最初の8,000ドル分は4.5%、VIPの最初の20,000ドル分は5%です。その後は利用額の帯に応じて還元率が段階的に低下します。税率の累進方式と同様に、上限を超えた後の決済部分だけに次の還元率が適用され、すでに行った決済の還元率がさかのぼって下がることはありません。

暗号資産やNFT、有価証券の購入、ATM出金、ギャンブル、ギフトカード、個人間送金、口座への資金追加、手数料や税金などは還元対象外です。決済が確定してから還元処理が行われるため、AVAXの着金は購入時点と同時ではありません。

還元額は決済額のドル換算を基準に計算されますが、付与時点でAVAXへ変換されます。受領後のドル換算価値はAVAX価格に連動するため、5%相当で付与されても、その価値が維持される保証はありません。返品やチャージバックが発生した場合は、対応する還元も取り消されます。

「Buy Now Pay Never」の実態

Ethena Payには「Buy Now Pay Never」と呼ばれる機能も盛り込まれています。名称は一般的な後払いサービスを連想させますが、買い物代金が消える仕組みではありません。保有資産から発生する報酬を支払いに充て、可能な限り元本を取り崩さずに購入するという設計です。

例えば、USDe関連の残高から日々得られる報酬をカード利用額の返済原資として使う考え方です。しかし、報酬率が低下した場合や購入額が報酬を上回る場合、想定した期間内に代金を賄えない可能性があります。カード規約上、利用者はカードで発生した請求額を支払う義務を負い、担保付きアカウントとして扱われます。

したがって、この機能は無料購入ではなく「運用報酬を返済へ自動的に振り向ける仕組み」と理解するのが適切です。将来の報酬を前提に支出を増やすのではなく、通常のカード決済と同様に返済可能額を基準に利用する必要があります。

Avalancheを決済基盤に選んだ意味

Ethena Payでは、送金、決済、資金移動、最終的な取引処理にAvalancheを利用します。利用者間の送金では複雑なウォレットアドレスではなく、アプリ上の名前を使う体験が想定されています。カード還元をAVAXで支払う設計も、Ethena PayとAvalancheエコシステムの接続を強めます。

一方、アプリの操作が一般的なネオバンクに近くても、内部ではブロックチェーン、スマートコントラクト、セルフカストディ型ウォレットが使われます。Ethena Pay自身は利用者の暗号資産や秘密鍵を保管せず、鍵や復旧情報は端末側で管理されます。

この方式は、運営企業に資産を全面的に預けない利点がある一方、端末、パスキー、復旧手段を失った場合に運営側が資金を復元できないリスクを伴います。銀行アプリと同じ感覚で利用を始めても、資産管理の責任範囲は銀行口座とは異なります。

日本の利用者が確認すべきポイント

公式の対象地域一覧には日本が含まれています。ただし、対象国に居住しているだけで全機能を無条件に利用できるわけではありません。本人確認、年齢、居住地、制裁・規制関連の審査に加え、カードなど個別機能の適格性確認が必要です。利用可能地域や条件は変更される可能性があるため、申込時にアプリと公式規約を確認してください。

Ethena Pay Ltd.はマルタ法人の技術サービス企業であり、銀行、信用組合、証券会社、投資助言業者ではありません。Spend Cardはプエルトリコの銀行Third NationalがVisaのライセンスに基づいて発行し、Rainがカードプログラムの管理を担当します。

非ドル通貨で支払う場合、Ethena Pay独自の為替上乗せはないとされていますが、Visaによる通貨換算費用が実費で転嫁されます。ATM出金、ブロックチェーンのガス代、資金提供事業者などの第三者手数料が発生する場合もあります。

さらに、日本居住者はUSDeやAVAXの取得、報酬受領、交換、カード利用に伴う税務上の扱いを個別に確認する必要があります。セルフカストディであることは、デジタル資産の価格変動、スマートコントラクト、ステーブルコインの連動性、サービス提供者、規制変更などのリスクをなくすものではありません。

まとめ

Ethena Payは、USDeを中心とするDeFiの仕組みを、貯蓄、Visaカード、海外送金、法定通貨の入出金へ接続するサービスです。暗号資産ウォレット、取引所、銀行口座を行き来していた操作を一つのアプリへまとめる点に大きな特徴があります。

一方、最大6%の報酬は預金利息ではなく、最大5%のカード還元にも会員ランク、利用額、対象取引などの条件があります。還元はAVAXで支払われるため、受領後には価格変動も生じます。

日本も提供対象地域に含まれますが、利用前には最新の適格条件、手数料、秘密鍵の管理方法、USDeの収益構造、税務上の扱いを確認することが重要です。Ethena Payは銀行口座の完全な代替というより、DeFiと既存の決済網を接続する新しいセルフカストディ型金融アプリとして評価すべきでしょう。

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