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伊大手銀がIBIT94%削減、ETH ETFは3倍—13F分析
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伊大手銀がIBIT94%削減、ETH ETFは3倍—13F分析

SSatoshi.K(dex.jp編集部)公開日: 2026-08-05

📋 この記事のポイント

  • 1ビットコインETF「IBIT」の保有を94%削減し、コールを大幅に処分してプットを追加(下方ヘッジへ転換)
  • 2ステーキング型イーサETF「ETHB」の保有を3倍に拡大(利回りを含むETHへの相対シフト)
  • 3関連株ではBitGoを積み増し、コインベース・サークル・ロビンフッドを削減(インフラ寄りの選別)
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イタリア第2位の銀行インテーザ・サンパオロ(Intesa Sanpaolo)が、2026年第2四半期にビットコイン現物ETF「iShares Bitcoin Trust(IBIT)」の保有株数を94%削減した。一方で、ステーキング型イーサリアムETFの保有を3倍に増やしている。本記事は、CoinDesk報道と同行の開示情報をもとに、機関投資家の資産配分の変化と、DeFi・DEX市場への示唆を整理したものである。要点は「BTCエクスポージャーの大幅圧縮」「ETHへの相対的シフト」「デリバティブでの下落ヘッジ」の3点だ。

インテーザ・サンパオロが示した動きの概要

インテーザ・サンパオロは時価総額でイタリア第2位、トリノに本拠を置く大手銀行である。同行の最新の開示によると、2026年6月30日時点でIBITの保有は40,723株(評価額約136万ドル)となり、3カ月前の646,809株から94%減少した。

さらに注目すべきは、オプション取引の姿勢の変化だ。同行はIBITのコールオプション(あらかじめ定めた価格でETFを買う権利)の99%を手放す一方、プットオプション(売る権利)を新たに保有した。プットは50万株分をカバーする規模とされる。コールは価格上昇に賭けるポジション、プットは価格下落に備える(またはそこから利益を得る)ポジションであり、同行が強気から中立〜弱気へとスタンスを転換したことがうかがえる。

こうしたポジション再構築は、ビットコイン価格が四半期を通じて軟調に推移するなかで行われた。CoinDeskによれば、当四半期のビットコイン価格は14%下落し、これは20%超の下落が2四半期連続で続いた後の動きだった。

ビットコインETFからの資金流出という市場全体の潮流

インテーザ・サンパオロの動きは、同行だけの特殊事情ではない。市場全体で見ても、機関投資家がビットコインETFのエクスポージャーを見直した四半期だった。

データプラットフォームSoSoValueによると、米国の現物ビットコインETFは6月までの3カ月間で合計およそ48.9億ドルの純流出を記録した。このうちIBIT単体で29.5億ドルの流出があったとされる。IBITはブラックロックが運用する世界最大級のビットコイン現物ETFであり、そこからの資金流出は市場心理の冷え込みを象徴する。

現物イーサリアムETFも例外ではなく、同期間に7億1,500万ドルを超える純流出が確認された。イーサ(ETH)価格自体も当四半期に25%下落しており、ビットコインを上回る下げ幅となった。

つまり、価格下落とETFからの資金流出が同時に進む「弱気の四半期」だったことが、機関投資家の防御的なポジション調整の背景にある。

逆張りに見えるイーサ関連ETFの積み増し

興味深いのは、ETH価格が25%下落したにもかかわらず、インテーザ・サンパオロがイーサ関連のETF保有を増やした点だ。同行はブラックロックの「iShares Staked Ethereum Trust ETF(ETHB)」の保有を3倍に拡大し、349,600株とした。四半期末の評価額は約710万ドルで、前四半期末の約315万ドルから増加している。

ETHBは名称に「Staked(ステーキング)」を含む通り、イーサリアムのステーキング報酬を取り込むことを企図した商品性を持つ。ビットコインが単純な価格変動へのエクスポージャーであるのに対し、ステーキング型ETHは、保有によって追加的なリワードを狙える点が特徴だ。DeFiやDEXに関心を持つ読者にとっては、機関投資家が「価格上昇期待」だけでなく「利回り(イールド)」も評価軸に加え始めた兆候として読める。

ビットコインを削りつつイーサを積み増すという配分は、一見すると逆張りだが、下落局面で相対的に妙味があると判断した資産へ配分を移す、典型的なリバランスの一形態と捉えることができる。

暗号資産関連株でも進んだ選別

同行の動きはETFにとどまらない。暗号資産関連の株式(エクイティ)でも、明確な選別が行われた。

開示によると、インテーザ・サンパオロはBitGo Holdings(BTGO)の保有をほぼ倍増させ、323,000株とした。一方で、暗号資産取引所大手のコインベース・グローバル(COIN)を32%、ステーブルコイン発行体サークル・インターネット(CRCL)を10%、そして証券取引アプリのロビンフッド・マーケッツ(HOOD)を43%それぞれ削減している。

BitGoは機関投資家向けのカストディ(資産保管)やインフラを手掛ける企業であり、これを積み増した点は、価格変動に直接さらされる取引・発行系の銘柄よりも、インフラ寄りの銘柄を選好した可能性を示す。もっとも、開示情報は保有株数の増減を示すにとどまり、個別の投資判断の理由までは明らかにされていない点には留意が必要だ。

なお同行は、宇宙開発企業スペースX(SPCX)の新規ポジションを566万株、評価額9億6,642万ドルで計上しており、これが同行の開示上最大の保有銘柄となった。暗号資産はあくまでポートフォリオの一部であり、より大きな配分は別の成長テーマに向けられている点も、全体像を理解するうえで重要である。

DeFi・DEX市場への示唆

では、こうした大手銀行の動きは、DeFiやDEXの利用者・投資家にとって何を意味するのか。

第一に、機関投資家の資金は価格下落局面で必ずしも一方向に逃げるわけではなく、資産クラス内で配分を組み替えるという点だ。ビットコインを削りイーサ関連を増やす動きは、ETHが担うステーキングやスマートコントラクト基盤としての役割が、機関の評価対象になりつつあることを示唆する。

第二に、ステーキング型ETFへの資金流入は、規制された枠組みの中で「オンチェーンの利回り」に触れたいという需要の表れとも読める。DEXやレンディングといったDeFiプロトコルが提供してきたイールドの概念が、伝統金融の商品設計にも取り込まれつつある。

第三に、コールを手放しプットを持つという行動は、機関が下方リスクを重視していることを示す。個人投資家にとっても、価格の方向性だけでなくリスク管理の視点が重要であることを、あらためて示す事例といえる。

ただし、これは単一四半期の一行のスナップショットにすぎない。13F等の開示は四半期末時点の保有を示すものであり、その後のポジション変更は反映されない。投資判断にあたっては、最新の一次情報を必ず確認してほしい。

まとめ

インテーザ・サンパオロの2026年第2四半期の開示は、機関投資家が暗号資産市場の弱気局面でどのように資産配分を調整するかを示す好例となった。要点は次の通りだ。

  • ビットコインETF「IBIT」の保有を94%削減し、コールを大幅に処分してプットを追加(下方ヘッジへ転換)
  • ステーキング型イーサETF「ETHB」の保有を3倍に拡大(利回りを含むETHへの相対シフト)
  • 関連株ではBitGoを積み増し、コインベース・サークル・ロビンフッドを削減(インフラ寄りの選別)

市場全体でもビットコインETFから約48.9億ドル、イーサETFから7億ドル超の純流出が起きており、同行の動きは大きな潮流の一部でもある。DeFi・DEXの観点では、機関が「価格」だけでなく「利回り」と「リスク管理」を軸に暗号資産を評価し始めている点が最大の示唆といえるだろう。数値や保有状況は今後変動するため、常に一次情報を確認したうえで判断することをおすすめする。

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