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10・10暴落から1年、ビットコインとアルトコインの流動性格差
暗号資産流動性·6分で読める

10・10暴落から1年、ビットコインとアルトコインの流動性格差

SSatoshi.K(dex.jp編集部)公開日: 2026-10-11

📋 この記事のポイント

  • 12025年10月の急落から1年。
  • 2ビットコインとイーサの板は回復した一方、アルトコインは流動性低下が続く。
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ビットコイン(BTC)とイーサ(ETH)の市場流動性は、2025年10月10日の急落時より厚くなった一方、アルトコインでは回復の遅れが目立ちます。 CoinDeskの最新分析が示す結論は、暗号資産市場全体が一様に正常化したのではなく、資金とマーケットメイク機能が主要銘柄へ偏って戻ったということです。 DEX・DeFi利用者は、価格チャートだけでなく、取引サイズに対する価格影響、プール残高、借入ポジションの清算余地まで確認する必要があります。

10・10急落から1年、主要銘柄とアルトコインが分岐

CoinDesk Researchは、主要な中央集権型取引所(CEX)の注文板を時点比較し、BTCとETHでは現在価格に近い売買注文が急落当日や年初より厚くなったと報告しました。価格が下がったため同じ枚数の注文が大きく見える、という単純な現象ではなく、ドル換算でも板が改善している点を重視しています。これはマーケットメーカーが主要銘柄へ再び資本を配分している可能性を示します。

一方、CoinDeskが調べたアルトコイン群では、ドル換算の流動性が縮小傾向にあります。トークン単位では注文量が多く見えても、価格低下によって見かけ上の枚数が増えているだけなら、大口売買を吸収する力は強くなっていません。BTC、ETHと小型トークンを同じ「暗号資産市場」として一括評価できないのが、今回のニュースの核心です。

注文板の厚さは何を意味するのか

CEXの市場深度とは、現在価格の近くに並ぶ指値注文の金額です。板が厚いほど、大きな注文を出しても複数の価格帯を一気に食いにくく、約定価格の悪化を抑えやすくなります。ただし、表示されている注文は取り消されることがあり、平常時の厚さが急変時にも残るとは限りません。

UniswapのようなDEXにはCEX型の注文板がなく、オンチェーンの流動性プールで交換します。Uniswap公式資料が説明する通り、同じ取引額でも利用可能な流動性が価格帯ごとに異なれば、価格影響も変わります。したがって、CEXでBTCの板が回復したことを理由に、Uniswap上の個別アルトコイン・プールまで安全になったと判断することはできません。見るべき対象は、実際に使うチェーン、トークンペア、ルートごとの見積もりです。

アルトコインで流動性リスクが残る理由

流動性の薄いアルトコインでは、少額の売買でも価格が動きやすくなります。Uniswapで画面に表示される価格影響は、市場の基準価格と、その取引がプール内の流動性へ与える影響との差を理解する手掛かりです。複数プールを経由するルートでは、最終受取額だけでなく、どのペアに依存しているかも確認すべきです。

CurveのStableSwapは、価格が近い資産の交換に適した設計ですが、名称に「ステーブル」が付いていても資産価値の維持を保証するものではありません。特定のステーブルコインやリキッドステーキングトークンへの偏りが生じれば、プール残高が片側へ寄り、出口側の流動性が弱くなる場合があります。Curve、Uniswapのいずれでも、プロトコル全体の知名度ではなく、利用する個別プールの構成と交換見積もりを確認することが重要です。

DeFiでは清算リスクにも波及する

流動性低下は、現物交換のスリッページだけで終わりません。Aaveでは、担保と借入の状態をHealth Factorで管理し、これが基準を下回るとポジションが清算対象になります。アルトコイン担保の価格が急落し、同時にDEXの売却流動性も細れば、清算人が受け取った担保を市場で処分する際の価格影響が大きくなり得ます。

また、Aaveの担保評価はオラクル価格と関係します。Chainlink Data Feedsは複数のデータソースと独立ノードによる集約を基本としますが、公式資料は一部に単一ソースや計算値のフィードがあることも明記しています。利用者は「Chainlink採用」という名前だけで判断せず、対象資産のフィード構成、更新状況、Aave側の担保条件を個別に確認する必要があります。市場価格、DEXの実行価格、レンディング市場の担保評価は同じものではありません。

実際の取引前に確認したい項目

第一に、Uniswapなどで少額の見積もりを取り、取引額を増やしたときに受取額と価格影響がどう変わるかを比較します。ウォレット画面に出る単一のレートだけでなく、最低受取額、経由プール、ネットワーク手数料を分けて見ます。大口を一度に交換すると不利になる場合でも、分割が常に有利とは限りません。相場変動、手数料、MEVの影響が増えるためです。

第二に、Curveではプール内の資産構成が極端に偏っていないか、交換したい方向に十分な出口があるかを確認します。第三に、Aaveの借入利用者は、現在のHealth Factorだけでなく、担保価格が下がった場合の余裕を事前に試算します。第四に、BTCやETHの流動性回復を、関連性の薄いアルトコインへそのまま当てはめないことです。ティッカーが有名でも、取引するチェーンやプールが違えば流動性条件も変わります。

実務では、交換ボタンを押す前の見積もりを記録しておくと比較しやすくなります。同じトークンでも、Ethereum上のUniswapと別チェーン上のフォーク、あるいはCurveの異なるプールでは、利用できる流動性もルーティングも一致しません。短時間に見積もりが大きく変わる場合は、スリッページ許容値を広げて無理に通すのではなく、取引規模や市場状況を見直すべきです。Aaveの借入ポジションでは、交換不能になる前提も含め、返済に使える別資産を確保しているかまで確認します。

2026年の市場で重視すべき見方

今回のCoinDesk報道は、主要銘柄の板が改善したことと、暗号資産市場全体の取引活動が完全回復したことを分けて考える必要性を示しています。BTCとETHへ資本が集中する局面では、アルトコインの表示価格が安定して見えても、実際に売買できる金額が細っている可能性があります。

DEXでは流動性がオンチェーンで観察できる一方、TVLの大きさだけでは取引品質を判断できません。Uniswapの集中流動性では現在価格付近に使える流動性があるか、Curveでは対象資産の均衡が保たれているか、Aaveでは担保資産の市場流動性と清算余地が十分かを、それぞれ別に確認します。主要銘柄の回復は前向きな材料ですが、アルトコインの流動性リスクを打ち消す証拠ではありません。

まとめ

2025年10月10日の急落から1年後、BTCとETHのCEX注文板は回復した一方、CoinDeskの分析ではアルトコインのドル換算流動性と現物取引活動の弱さが残っています。市場の配管は修復されたものの、その修復は主要銘柄に偏っています。

DEX・DeFi利用者にとって重要なのは、相場全体の印象ではなく、実際に使うUniswapやCurveの個別プール、AaveのHealth Factor、Chainlinkの対象フィードを確認することです。取引前に価格影響と最低受取額を比べ、借入では担保下落時の余裕を点検する。こうした手順が、流動性の二極化が続く市場での基本的なリスク管理になります。

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