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SEC延期でトークン化関連株が下落、DeFiへの影響
トークン化証券·6分で読める

SEC延期でトークン化関連株が下落、DeFiへの影響

SSatoshi.K(dex.jp編集部)公開日: 2026-08-15

📋 この記事のポイント

  • 1Bullish(BLSH、24.43ドル):早朝の取引で約8%下落。第2四半期決算後の上昇を打ち消す形となりました。同社はCoinDeskを傘下に持つ暗号資産プラットフォームで、トークン化証券の発行・管理インフラ構築に向け、株式名義書換代理人(トランスファーエージェント)のEquinitiを買収中です。
  • 2Figure(FIGR):ブロックチェーン基盤の融資企業で、決算後に得た上昇分を吐き出し、木曜の高値から約9%下落しました。
  • 3Coinbase(COIN、148.45ドル):独自のトークン化株式提供を進め、オフショア拠点にアブダビを選定したばかりですが、2%下落しました。
  • 4Circle(CRCL、70.98ドル):USDCの発行元で、4%近く下落しました。
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米証券取引委員会(SEC)が、トークン化証券の取引を後押しする「イノベーション例外規定(innovation exemption)」の公表を再び延期したことを受け、2026年8月14日(金)の米市場ではトークン化(RWA)関連銘柄が軒並み下落しました。暗号資産取引所Bullish(BLSH)や Coinbase(COIN)、ステーブルコイン発行のCircle(CRCL)などが売られ、DeFi向けのDEXトークンであるUniswap(UNI)は7%下落しました。ただし専門家は、今回の延期を「スピードバンプ(減速帯)」と位置づけ、トークン化の潮流そのものは揺らいでいないとみています。

何が起きたのか:SECの再延期と会議キャンセル

発端は、CoinDeskが8月13日(木)夜に報じた「SECがイノベーション例外規定の公表をさらに延期する見通し」というニュースでした。この例外規定は、企業がトークン化証券の取引を提供しやすくするためのルールと位置づけられ、市場では長らく待たれてきた施策です。

さらに不透明感を強めたのが、8月14日(金)に予定されていたSEC委員会会合のキャンセルです。この会合では、暗号資産関連の証券募集ルールを提案するかどうかが検討される予定でしたが、開催そのものが見送られました。報道によれば、この規定の法的根拠や市場への影響をめぐるホワイトハウスおよびウォール街からの懸念が、計画の停滞につながっているとされます。

下落した主なトークン化関連銘柄

規制の後退観測は、トークン化を成長ドライバーと見込んでいた投資家心理を冷やしました。金曜の取引で下落した主な銘柄は次の通りです。

  • Bullish(BLSH、24.43ドル):早朝の取引で約8%下落。第2四半期決算後の上昇を打ち消す形となりました。同社はCoinDeskを傘下に持つ暗号資産プラットフォームで、トークン化証券の発行・管理インフラ構築に向け、株式名義書換代理人(トランスファーエージェント)のEquinitiを買収中です。
  • Figure(FIGR):ブロックチェーン基盤の融資企業で、決算後に得た上昇分を吐き出し、木曜の高値から約9%下落しました。
  • Coinbase(COIN、148.45ドル):独自のトークン化株式提供を進め、オフショア拠点にアブダビを選定したばかりですが、2%下落しました。
  • Circle(CRCL、70.98ドル):USDCの発行元で、4%近く下落しました。

個別銘柄の株価は変動が激しいため、投資判断の際は必ず最新の公式情報を確認してください。

トークン化米国債の存在感:USYCとBUIDL

今回の下落は、単なる暗号資産取引所株の話にとどまりません。実際に稼働している「トークン化米国債(トークン化トレジャリー)」プロダクトを持つ企業も影響を受けました。

CircleはUSDCに加え、トークン化米国債プロダクト「USYC」を運用しており、約30億ドルの資産を保有しているとされます。また、BlackRockのトークン化パートナーであり、トークン化米国債ファンド「BUIDL」の発行元であるSecuritize(SECZ)は、金曜の取引で一時5%下落したものの、その後は下げ渋りました。同社は木曜に決算が市場予想を下回り27%急落しており、金曜は下落後に持ち直して落ち着きを取り戻す展開となりました。

これらのプロダクトは、米国債という伝統的資産をブロックチェーン上でトークン化し、24時間365日の決済・取引を可能にするものです。規制の明確化が進むかどうかは、こうした商品の普及ペースを左右します。

なぜUNIが7%下落したのか:DeFiへの波及

トークン化関連の中でも下落が目立ったのが、DEX大手UniswapのガバナンストークンUNIです。UNIは7%下落し、CoinDesk 20指数の下げを主導しました。

この反応の背景には、イノベーション例外規定が「DeFi会場(venue)での証券取引に対する救済(relief)」をもたらすと期待されていた点があります。つまり、トークン化された証券をUniswapのようなオンチェーンの分散型取引所で扱えるようになれば、DEXにとって新たな取扱資産と流動性の拡大につながる——という期待が織り込まれていました。規定の延期はその期待を後退させ、UNIの下落幅を大きくしたと考えられます。

DeFiの観点では、トークン化証券は「オンチェーンでの伝統的資産取引」という新しい市場を開く鍵です。規制の枠組みが定まらない限り、DEXが証券を正面から取り扱うにはハードルが残ります。

専門家の見方:「スピードバンプ」であって行き止まりではない

Clear StreetのマネージングディレクターであるOwen Lau氏は、今回の規制上の後退を「スピードバンプ(減速帯)」と表現しました。トークン化の普及を遅らせる可能性はあるものの、トークン化資産や24時間365日取引インフラを支える勢いそのものを頓挫させるものではない、という見立てです。

この評価は重要です。株価の短期的な下落は投資家心理の反映ですが、Bullishによる名義書換代理人の買収、Coinbaseのトークン化株式構想、BlackRockと連携したBUIDLなど、業界各社の中長期のインフラ投資は続いています。規制の遅れは「いつ」を後ろにずらすものの、「トークン化が進むかどうか」という方向性を変えるものではない、という見方が現時点では優勢です。

日本の投資家・DeFiユーザーが注目すべき点

日本から見た場合、今回の一件は次の3点で示唆に富みます。第一に、RWA(現実資産のトークン化)は米国の規制動向に強く連動しており、SECの一つの判断が関連株やDeFiトークンの価格に即座に波及すること。第二に、トークン化米国債(USYC、BUIDL)のように、すでに数十億ドル規模で稼働しているプロダクトが存在し、DeFiと伝統金融の接点が現実に広がっていること。第三に、DEXにとって証券取引の解禁は大きな成長機会である一方、規制の明確化なしには実現しにくいという構造です。

短期的な株価やトークン価格の変動に一喜一憂するのではなく、規制フレームワークの進捗とインフラ整備の実態を継続的に追うことが、この分野を理解する近道といえます。

まとめ

SECによる「イノベーション例外規定」の再延期と関連会議のキャンセルを受け、2026年8月14日にBullish、Figure、Coinbase、Circleなどのトークン化関連株が下落し、Uniswap(UNI)は7%安となりました。背景には、DeFi会場での証券取引への期待が後退したことがあります。一方で、専門家はこれを一時的な「スピードバンプ」と位置づけ、トークン化と24時間取引インフラへの中長期的な勢いは維持されているとみています。RWAとDeFiの融合は米規制の動向に左右されるため、今後もSECの判断と各社のインフラ投資の両面を注視する必要があります。

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