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BitgetとBlackRock協議、アジアのトークン化ETF流通へ
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BitgetとBlackRock協議、アジアのトークン化ETF流通へ

SSatoshi.K(dex.jp編集部)公開日: 2026-09-04

📋 この記事のポイント

  • 1BitgetがBlackRockなど金融大手とアジアでのデジタル資産商品流通を協議。
  • 2発表済みの事実、RWA市場への影響、DEX・DeFi利用者が確認すべきリスクを解説します。
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Bitgetは、BlackRockを含む大手金融機関と、アジアにおけるデジタル資産商品の流通拡大について協議している。焦点は、伝統的な金融商品をブロックチェーン上で扱えるようにするトークン化と、暗号資産取引所を新たな販売経路として活用する構想だ。

ただし、提携や商品の上場が正式決定したわけではない。BlackRockは対話の存在を認める一方、具体的なアジア展開計画についてはコメントしておらず、現段階ではBitget側が明らかにした協議として慎重に理解する必要がある。

BitgetがBlackRockなど金融大手と協議

CoinDeskが2026年9月3日に報じたところによると、暗号資産取引所BitgetのCEO、Gracy Chen氏は、BlackRockを含む複数の大手金融機関と、アジアでデジタル資産商品をより広く流通させる方法について協議していると説明した。

Chen氏は、BlackRockとの間でアジア市場のディストリビューションに関する緊密なコミュニケーションがあると述べている。ここでいうディストリビューションとは、資産運用会社の商品を、取引所や提携事業者を通じて投資家へ届ける仕組みを指す。

一方、BlackRockの広報担当者はCoinDeskに対し、同社の暗号資産ETPがすでにアジアで提供されていること、さまざまな案件について仮想資産サービス事業者と定期的に対話していることを確認した。ただし、Bitgetとの個別提携や、新商品の投入時期などは公表していない。

したがって今回のニュースを「BlackRockの商品がBitgetへ上場決定」と読むのは早計だ。確認できるのは協議の存在までであり、対象商品、提供地域、法的な販売主体、保管方法などは未確定である。

なぜアジア市場が重視されているのか

背景には、アジアにおける暗号資産利用の拡大がある。OECDの「Asia Capital Markets Report 2026」によれば、アジアのブロックチェーン上の暗号資産取引は、2024年6月から2025年6月までの期間に前年同期比69%増加し、地域別で最も高い伸びを記録した。

OECDは、インド、インドネシア、ベトナム、フィリピン、パキスタンなどで暗号資産の利用が進んでいる点を挙げる。若いインターネット利用者の多さ、越境送金需要、個人投資家の関心に加え、機関投資家の参加も市場拡大の要因になっている。

Bitgetにとっても東アジアと東南アジアは重要市場だ。CoinDeskの記事では、同社の登録ユーザーの約半数が両地域に存在するとChen氏が説明している。また、Bitgetが集計した2026年第1四半期のデータでは、利用者の52%が暗号資産と伝統的な株式の両方を保有しているという。

この利用者層は、株式と暗号資産を別々のサービスで管理するより、一つの画面や口座からアクセスすることを好む可能性がある。BlackRockのような資産運用会社にとって、Bitgetなどの取引所は、従来の証券会社とは異なる投資家へ接触するための候補になり得る。

トークン化ETFと通常のETFは同じではない

今回の報道で注意したいのが「トークン化ETF」という表現だ。一般的なETFは証券取引所へ上場し、投資家が証券会社を通じて売買する。一方、トークン化商品は、ETFや株式などへの経済的なエクスポージャーをブロックチェーン上のトークンとして表現する。

商品の構造は発行者によって異なる。裏付け資産を保管してトークンを発行する方式もあれば、価格への連動を目指すものの、原資産の株主権や議決権を利用者へ直接与えない方式もある。名称に株式やETFが含まれていても、通常の証券口座で保有するETFと法的権利が同一とは限らない。

BlackRock自身もオンチェーン商品の開発を進めている。同社は2026年8月、既存のマネー・マーケット・ファンドにEthereum上のトークン化シェアクラスを導入するBSTBLと、ステーブルコイン準備資産向けのBRSRVを発表した。これは、資産運用会社がブロックチェーンを単なる投機市場ではなく、発行・決済・資金管理のインフラとして利用し始めている具体例だ。

ただし、このBlackRockのマネー・マーケット商品がBitgetで提供されると発表されたわけではない。今回の協議対象と既存商品を直結させず、正式発表を待つ必要がある。

BitgetはすでにOndo FinanceとRWAを展開

Bitgetには、伝統資産をトークン化して提供するための既存基盤がある。2025年にはOndo Financeとの連携を開始し、米国株やETFに連動するトークン化資産をBitget Onchainへ導入した。

さらに2026年3月には、Tesla、NVIDIA、Apple、Microsoftなどの株式に対応する商品や、SPY、IVV、QQQなどのETFに対応する商品をスポット市場へ追加した。Bitgetの公式発表によると、これらの商品はOndo Global Marketsを通じて伝統的証券とその市場流動性へのアクセスを提供する設計である。

この実績は、Bitgetが単にBlackRockと接点を持っているだけではなく、トークン化資産を取引画面へ組み込む運用経験をすでに持つことを示している。将来、金融大手との協業が実現する場合も、Ondo Financeとの既存モデルが一つの比較対象になるだろう。

もっとも、Bitgetは中央集権型取引所であり、UniswapやCurve FinanceのようなDEXとは異なる。取引所口座内で売買できることと、利用者が自己管理ウォレットでトークンを保有し、DeFiプロトコルへ自由に移動できることは同義ではない。入出庫可能なネットワーク、コントラクト、償還条件は商品ごとに確認が必要だ。

DEX・DeFi市場に及ぼす可能性

金融機関の商品が取引所経由で広く提供されれば、次の焦点はオンチェーンでの利用可能性になる。トークンを外部ウォレットへ移動できれば、DEXでの交換、レンディングの担保、ステーブルコインとの流動性プールなどへ用途が広がる可能性がある。

たとえばOndo Financeは、米国債や株式などのRWAをブロックチェーンへ接続する事業を展開している。UniswapのようなDEXが許可型または規制対応型のトークンを扱う場合、ウォレット認証、譲渡制限、地域制限をスマートコントラクトやフロントエンドで処理する設計が重要になる。

一方、すべてのトークン化商品がパーミッションレスDeFiに適しているわけではない。証券規制に対応するため、保有者の本人確認、対象国の限定、許可済みアドレス間だけの移転といった制限が設定される場合がある。CEXで売買できてもDEXへ持ち出せない商品や、発行者の承認なしには償還できない商品も考えられる。

今回の協議がDeFi市場へ与える影響を判断するには、単なる上場銘柄数ではなく、オンチェーン発行の有無、自己管理ウォレットへの出庫、償還可能性、DEXでの流動性、担保としての採用状況を見るべきだ。

利用前に確認したいリスクと実務項目

トークン化ETFや株式連動トークンを利用する際は、まず発行者と裏付け資産の保管者を確認したい。Bitgetは取引場所であって、各トークンの発行者や原資産の保有主体とは限らない。発行体、カストディアン、監査・証明方法が分かれている場合、それぞれに信用リスクが存在する。

次に、原資産との価格差と取引時間を確認する。暗号資産市場は常時動く一方、米国株の現物市場には休場時間がある。原資産市場が閉じている時間帯には、トークン価格のスプレッドが拡大したり、翌営業日の価格を先取りして変動したりする可能性がある。

また、配当、議決権、株式分割、償還、破綻時の請求権も重要だ。トークン保有者が原株主と同じ権利を得られるとは限らず、配当相当額が再投資される商品や、現金ではなくステーブルコインで精算される商品もある。

日本から利用する場合は、サービスの提供対象地域、本人確認条件、税務上の扱いも確認が必要だ。海外取引所で表示される商品が、日本居住者へ適法に提供されているとは限らない。正式な利用規約、商品説明書、リスク開示を読み、SNS上の紹介だけで判断しないことが実務上の基本となる。

まとめ

BitgetとBlackRockなど金融大手の協議は、暗号資産取引所が、暗号資産だけでなくトークン化された株式、ETF、マネー・マーケット商品を扱う総合的な販売基盤へ変化していることを示すニュースだ。

ただし、現時点でBlackRockとBitgetの正式提携や、特定商品の上場は発表されていない。協議段階の情報と確定事項を分けて評価する必要がある。

DEX・DeFiの利用者にとって重要なのは、商品名よりも実際の構造だ。発行者、裏付け資産、保管、償還、移転制限、スマートコントラクト、利用可能地域を確認し、中央集権型取引所内の商品なのか、外部ウォレットやDeFiでも利用できるオンチェーン資産なのかを見極めたい。

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