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RWAパーペチュアルがトークン化を上回る理由とは
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RWAパーペチュアルがトークン化を上回る理由とは

SSatoshi.K(dex.jp編集部)公開日: 2026-08-01

📋 この記事のポイント

  • 1現実資産(RWA)のパーペチュアル契約が急拡大している。
  • 2CoinDeskの寄稿を基に、トークン化を上回る成長の背景、Hyperliquidの事例、24時間市場の強み、投資家が知るべきリスクを解説する。
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現実資産(RWA: Real World Assets)のパーペチュアル契約(無期限先物、通称パープ)が、資産のトークン化を上回るスピードで拡大している。米CoinDeskに寄稿したDWF LabsのMartin Lee氏は、原油やAI関連株といった現実資産を「パープ化(perpification)」する動きが、トークン化よりも速く、より大きなインパクトを持つと主張する。本記事ではその論点を整理し、背景にある市場構造とリスクを解説する。

RWAパーペチュアル(RWAパープ)とは何か

パーペチュアル契約とは、満期(決済期日)を持たない先物取引の一種で、暗号資産市場で広く普及してきたデリバティブ商品だ。資金調達率(ファンディングレート)を通じて価格を原資産(現物)に連動させる仕組みを持ち、トレーダーはポジションを無期限に保有できる。

「RWAパープ」は、この仕組みを暗号資産以外の現実資産に応用したものを指す。具体的には、原油などのコモディティ、金(ゴールド)、そして米国株やAI関連株式といったエクイティのパフォーマンスに連動するパーペチュアル契約が登場している。Hyperliquidをはじめとする分散型取引所(DEX)が、こうしたRWAパープの主要な取引の場となっている。

従来、現実資産へのオンチェーン・エクスポージャーは「トークン化」が中心だった。BlackRock、Fidelity、Franklin Templetonといった大手金融機関が、国債やファンドをトークン化してきた歴史がある。RWAパープは、それとは別の、より投機・ヘッジ寄りのアプローチとして急速に存在感を増している。

トークン化を上回る成長スピード

Martin Lee氏がCoinDeskで示したデータによれば、RWAパープの取引高は2026年5月に3,470億ドルに達した。これは2025年初頭に記録された2億3,000万ドルから、約1,472倍という急拡大である。さらにDEX上の建玉(オープンインタレスト)は、2026年7月に日次で45億ドルという過去最高水準に達したとされる。

取引所ベースで見ると、2026年5月末までにRWAパープは累計1兆3,200億ドルの取引高を生み出しており、これは2025年通年の実績の約13倍にあたるという。

一方、トークン化された現実資産の総額は340億ドルを超え、これに加えてトークン化されたドル(ステーブルコインなど)が3,000億ドル規模で存在する。トークン化そのものも決して小さな市場ではないが、成長率という観点ではRWAパープが際立って速いペースで拡大している、というのがLee氏の主張の核心だ。これらの数値はいずれもCoinDeskの寄稿記事に基づくもので、投資判断の際は各自で最新の一次情報を確認してほしい。

なぜ24時間市場が重要なのか

RWAパープが急伸した要因の一つは、暗号資産トレーダーがコモディティやAI関連株といった現実資産へのエクスポージャーを求めたことにある。だがそれ以上に本質的なのは、パープが多くの局面で従来型金融(TradFi)の代替商品よりも優れたプロダクトである、という点だ。

従来型の市場では、取引時間が終了した後に起きたイベントに対して、トレーダーはすぐに反応できない。コモディティの先物や株式のオプションには取引時間の制約がある。これに対しパープは24時間365日稼働する。

Lee氏が挙げる象徴的な事例が、イランをめぐる地政学的な緊張だ。この情勢は、CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)が再開する前に、Hyperliquid上の原油パープにいち早く反映されたという。市場が閉じている間に世界で何かが起きても、パープであれば即座にポジションを調整できる。この「常時稼働する効率的な市場」という特性が、現実資産の値動きを取引したい参加者を惹きつけている。

デリバティブは常に現物を上回る

「デリバティブの取引高は原資産の現物市場を上回る」——これは株式、コモディティ、暗号資産のいずれでも観察されてきた普遍的な傾向だ。RWAも同じ道をたどっている。

Lee氏によれば、Hyperliquid上のエクイティ(株式)パープの取引高は、2026年3月から5月にかけて、トークン化された株式現物の取引高の13〜20倍で推移した。

「取引高よりも参加者数が重要だ」という反論もありうる。実際、トレーダーの数では現物が優勢な市場が多い。トークン化株式のウォレット数は180,845に対し、エクイティパープは24,378と、現物側が大きな基盤を持つ。しかし、パープ保有者は月あたり約33%のペースで増加しており、現物側の約17%を上回る。現物が優勢な領域でさえ、パープが急速に差を詰めている構図だ。

パープの高速なイノベーション

加速の最大の要因としてLee氏が指摘するのが、RWAパープにおける実験の速さである。

トークン化資産のローンチには、法的な整理を含めて長い時間と複雑な手続きが必要になる。トークン化される資産が実在し、権利関係やカストディが担保されていることを制度的に保証しなければならないためだ。一方、新しいパープ銘柄の立ち上げは、それに比べてはるかに迅速に行える。原資産の価格指標さえ参照できれば、新たな連動対象を短期間で市場に投入できる。

この機動力の差が、原油、金、AI関連株、さらには個別テーマ株まで、多様な現実資産をカバーする商品ラインナップを短期間で拡充することを可能にしている。トークン化が「所有」の再構築を志向するのに対し、パープは「エクスポージャー」の再構築に特化し、実験と反復のサイクルを高速で回している。

投資家・トレーダーが押さえるべきリスク

RWAパープの成長は著しいが、留意すべき点も多い。第一に、パープはレバレッジを伴うデリバティブであり、価格変動によっては証拠金を大きく上回る損失や強制ロスカットが発生しうる。24時間稼働は機会であると同時に、就寝中の急変リスクも意味する。

第二に、資金調達率のコストだ。ポジションを長期保有する場合、ファンディングレートの支払いが累積し、原資産の値動き以上にリターンを圧迫することがある。第三に、RWAパープは原資産となる現実資産価格の参照(オラクル)に依存しており、参照元の信頼性や取引時間外の価格形成には固有の論点が残る。

また、RWAパープは各国の金融規制やデリバティブ規制の観点から、今後の制度整備によって取り扱いが変化する可能性がある。DWF Labsは暗号資産分野で最も活発なマーケットメイカー兼投資家の一社であり、今回の見解はポジションを持つ立場からの寄稿である点も踏まえ、数値や主張は一次情報で確認する姿勢が重要だ。

まとめ

トークン化は暗号資産が従来型金融に輸出した最初の大きな成果であり、340億ドル超の資産がすでにオンチェーン化されている。だがCoinDeskに寄稿したMartin Lee氏は、次に来るのは現実資産の「パープ化」だと主張する。RWAパープの取引高は2026年5月に3,470億ドルに達し、24時間稼働・高速なイノベーション・デリバティブ優位という構造的な追い風を受けて拡大を続けている。

一方で、レバレッジや資金調達率、オラクル依存、規制の不確実性といったリスクは無視できない。RWAパープはDEXの新たな成長ドライバーとして注目に値するが、参加する際は仕組みとリスクを正確に理解し、公式の一次情報に基づいて判断することが欠かせない。

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